従業員(14)
3019年 2月18日
奇妙な事にリンガーレイフォンの戦い方に変化が生じてきている。
先手必勝型だったのが、待ちの姿勢を崩さない。
どうしたんだと聞くと、観察をしているらしい。
敵を知り、己を知ればうんぬんと言う奴だろうか。カンフー映画で見たな。
笑顔の練習から発展させたのだとすると、なかなか勤勉だが、俺としては練習時間が長くなって辛い。
俺の戦い方は先手必勝と言うよりは、肉薄からの力押しだ。なにせ、この星で俺より身長が低いのは子供だけだ。リーチで負ければ、一方的に攻撃される。
練習では剣を使わせられているから、飛び込むしか無い。
そうした結果として死角からの攻撃になっているようだ。
この戦い方だと敵の攻撃を避けて、潜り込むのが一番手っ取り早いので、待ちの構えをされるとやりづらい。砂で目つぶしすると怒るし。
しかし、もうすぐ王都だ。
話のタネに聞いてみると、俺が師匠らしい事を教えてやれれば、宝石の件で俺が有利になるように話してくれると言う。
しかし、接近戦の指導は出来ない。関節技を教えようにも、俺を実験台にすると、子供相手に有効な関節技講座になってしまう。
迷った末に、レンジャー訓練を提案してみる。
「生命の危機を感じると、人間すごい力が出ると言う。常人には耐えられないがやるか?」
と訪ねると、「おお、そんなものが」と感心して、やる気になっていた。
レンジャー訓練はやられた事は合ったが、やった事は無い。でも、追いつめれば良いのだろう。だいたいそんな感じだった。
人間不信にはなるが、五感が冴えるから良い効果が出るかもしれない。頑張ろう。




