下準備(28)
3019年 1月25日
査定の人は年の行ったおばちゃんと若い女性だった。どうやら上司と部下というか、師弟関係のような物らしい。
「ちっさ!」と部下の女が言って、上司に殴られていた。
この星はどの爺さんも婆さんも身長が高くていけない。
腹は立ったが、それはそれ、これはこれだ。無礼は許そう。
まあ、何はともあれ、乗り合い馬車に乗ろうとしたらリンガーレイフォンが現れた。
他人のフリをしたが無理だった。畜生。
なんだよーと問えば、納得がいかんと噛み付いてくる。
「決闘に卑怯も何も無いだろ」と言えば「それでも騎士か!」と返してきたので「きしじゃない」と返事を返してみたら黙ってしまった。なにか盲点だったらしい。
査定の人たちは不審な顔をしていたが、宝石騎士の一人だと知ると、目を見合わせて「また後日にしましょうか」などと言ってくる。
そりゃ困る。屋敷が買えるにしろ、買えないにしろ。戦車は早くしまっておきたい。
いろいろと手続きもあるだろうし、一日でも早い方が良い。
しょうがないので、「話があるならついてこい」と行ったら着いてくる事になった。
査定の二人はドン引きしてたけど。