下準備(27)
3019年 1月24日
オスマンさんは屋敷に居た。ラッキーだ。
早速、石けんの実演をしてみせた。同じ用に油で汚した布を石けん有りと無しで洗い比べる。綺麗に落ちたので、オスマンさんは感心していた。
「試作品の石けんを屋敷の人間に使わせて、評判を聞いてみたい」と言われたので、石けんを渡した。まだ試作品で手荒れを起こすので、掃除に使ってほしいと補足しておく。
それと宝石はまだ売り切っていないが、見込額をオスマンさんが出してくれる事になった。これも投資の一環らしい。
「製造方法が確立していないなら、始めは小規模で販売して、広めて行く流れがいいだろう。私としてはこっちに販売を任せてほしい。君が作る役目、私は売る役目と言うわけだ」
専売契約というのだろうか。
営業的な才能も、手腕もない俺からするとむしろありがたい。
土地に関しても「領が隣なのは手続きがめんどうだけで、まあなんとかなる」らしい。
「査定が出来る部下を君に付けるから、屋敷跡を見せて見ると良い。
宝石の販売金額の見込みは君が戻るまでに出しておこう」と屋敷跡の買い取りまで面倒を見てくれる事になった。明日には査定が出来る人が宿屋に来てくれるそうだ。
何より石鹸の需要があると見込んでもらえたのが何より助かる。
次の案は正直思い浮かんでなかった。