下準備(24)
3019年 1月21日
朝、ドーレスが起こしに来た。逃げ損なった。
二番隊の基地に案内されて、決闘だ。二番隊の連中の観客もすごい居るし。
戦うのも、見せ物になるのも不毛すぎる。
準備万端のリンガーレイフォンがドヤ顔で現れたのもどうかと思う。
若いってのはこれだから嫌なんだ。やる気のある奴はこっちにもやる気があるってすぐ思いやがる。
しかし自分が十代の頃を思えば、ガンと受け止めて、鼻っ柱をへし折ってみせるのも大人の役目かもしれないと思っていた。
勝った事あるし。
と油断していたら、あんにゃろ真剣を持ち出してきた。
そんな命のやり取りを要求されたら、俺だって手加減は出来ない。
砂で目つぶしして、ぶん投げて、スタンガンで気絶させた。
そうしたら卑怯だと二番隊の全員が襲いかかってきた。
納得がいかない。身長が小さいのに投げ飛ばしたところに感心しろよ。
しかし俺の言葉を聞く気の無い兵隊に囲まれては多勢に無勢だ。おまけに相手が武器を持ち出してきたら、そんなもん戦争だ。
交戦法規を結んでないんだから、こっちだって遠慮はできない。
むしろこっちから殴り掛からないと、どうなるか判らない。
殴って、蹴って、ぶん投げて、スタンガンで気絶させて、どうにかこうにか脱出した。
ひどい目に合った。
あいつ等本当に治安維持部隊なのか?
乗り合い馬車にも乗り損ねてしまうし、石けんを持って走る羽目になってしまった。
宿屋で変な顔されるからしたくないのに。