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再戦(30)
3018年 12月23日
昼頃にミリアお嬢とその旦那が現れた。
腰が痛いと言っていたのは馬車で飛ばしてきたせいだろう。たぶん。
とりあえず、オスマンさんが詳しい話を二人にする際に同席する事になった。
オスマンさんの話では傭兵がほとんど集まっていないそうだ。
ほとんどと言うのは俺が居るから零ではないだけだ。総員俺一名と言うわけである。
オスマンさんは二番隊の基地のある村にお嬢を避難させたいようだが、お嬢はさっさと新婚旅行に戻りたい様子である。
どうにかなりませんか? と俺に尋ねてきたので、何とかなりますと答えておいた。
出来るのか? と言うので、庭の穴を見せるとえらく驚かれた。
……改めて見るとやり過ぎたかもしれない。
だがオスマンさんから罠を張る許可は貰っている。ばかでかい落とし穴を作るとは言ってなかったが。
俺がミリアお嬢を囮にする案を提案する。
オスマンさんと旦那さんは難色を示していたが、本人の「早く新婚旅行に行きたい」との一声で決定した。
女性は強い。