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2890年(3)
2890年 3月8日
振られた事がいつの間にか基地中で広まっていた。もともと娯楽がテレビか、ビリヤードとトランプしかないような場所だ。
俺の失恋話は格好の獲物という訳だ。慰めてくれる奴。妙な仲間意識を持つ奴。笑う奴と対応は様々。
だがどいつもこいつも、腹の中では俺を笑ってやがる。誰も信用できない。
俺に新たな話題の提供を望んでいるのだ。誰がそんなものに乗る物か。
いや、いっそ華々しく散ってやろうか。
基地のエネルギー倉庫を爆破する計画を半ば本気で練っていた。