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再戦(12)
3018年 12月6日
朝起きると、カートゥーンアニメみたいなシーツのお化けが居た。
アカ子だ。ベッドのシーツを縫い合わせて作ったらしい。
ご丁寧に籠を分解して、体格が見えないようになっている。寸胴体形の、変な物体だ。
「これで荷物扱いされずに移動できますね!」
シーツのお化けが能天気にのたまう。覗き穴の暗がりが非常に不気味だ。
逆に怪しいだろうと言うと、「確信と疑惑は違いますぅ」と中々にかっこいい事を言
うので、物は試しとそのまま乗合馬車に乗ってみた。
絶対、不審者扱いされていたが乗れない事は無かった。
実際「あれは、いったいなんですか? どういうことですか」と質問されて、日の光に弱くてと嘘を言ったらなんとかなった。
意外と嘘八百で何とかなるものだ。
メカに常識で驚かされる日が来るとは思ってなかった。だが初対面の時に胸のでかさで驚いている。今更と言えば今更か。




