再戦(11)
3018年 12月5日
出発前に「針と糸を買って欲しいです」とアカ子が提案してきた。
村で訪ねてみると、鍛冶屋で売っていた。
だが思ったより高い。だが一点ものだ。仕方が無いと思い購入した。そして糸を巻き付けた、木の棒みたいなのも高かった。
そう言えば、産業革命と織物の話は漫画歴史で読んだなと調べてみたら、18世紀だった。すごく昔だ。俺が地球に居た頃からしても千年前だ。
産業革命を起こすチャンスかもしれない。織物の機械を作れば良い。
そう馬車の中で考え、名案だと確信してアカ子に話した。
「コットンがあるんですか?」とアカ子は訳の分からない事をいう。
アカ子曰く、産業革命は動物性のウールより、滑らかなコットンが大人気で品薄になった事から起こったらしい。
なんでそんなことを知ってるんだと訪ねると「お舟さんの小説に合ったじゃないですか」と言う。……そう言われれば合ったような気がする。俺が産業革命と織物を結びつけたのも、それだったような。
なんだよ。フィクションなのかと端末で調べてみたら事実だった。
お舟の事だ、入念に下調べをしたんだろう。クソ真面目だったからな。