268/775
破壊神(11)
3018年 11月13日
夕方前にはラゴウに乗って商団に追いつく事が出来た。
ハンマーを持って行くか悩むが、明らかに重い。ラゴウに運べるかと聞けば、嫌だと言うので置いていくことになった。
どうにもラゴウは手綱を付けられている事すら嫌がっている気配がある。
まあ、俺だって手綱を付けられたら嫌だ。それでもラゴウも俺の言葉を信じて、足になってくれているので、わがままは言えない。
お金を握らせて商団の人に話すと、苦笑いながら残った荷物は預かって貰える事になった。
まあ、向こうからしたら荷物に旅をさせるだけだからな……俺がよっぽど変人に見えたに違いない。断られなかっただけ良かった。
商団を追い越して、国境前の村で宿を取っている。
明日には国境を越える事になる。
不法入国だが、ラゴウと連れ立っている時点でアウトなので気にしてはいられない。速度が上がった事を喜ぶべきか。
空から見れば国境なんてないのに、と昔に読んだ本に書いてあった。
なにもない所に国境を引きけてしまうところが、知的な気がしないでもない。