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破壊神(10)
3018年 11月12日
ラゴウの飛行速度はかなり早い。
子供の落書きみたいな、ふざけたデザインのくせに。
今日は野営。ラゴウが仕留めてきた獲物を丸焼きにする。血生臭くてまずい。血抜きが足りなかったようだ。
野営の装備は無いので葉っぱを集めて眠ることにする。野営は虫が面倒で良くない。
生木を燃やして、虫除けの煙を炊くなんて映画でしか見た事が無かった。たまに地球での価値観を思い出すと、実に贅沢な事をやってるものだ。
虫と言えば高タンパク質だからと、無理矢理サバイバル訓練で食べさせられた事を思い出す。あれも思えばまずかった。
ラゴウは種族の中でも特別力が強く、頭が良かったらしい。他の兄弟は喋ることもできないそうだ。
それは突然変異の枠を超えてるんじゃないか?
この星の生物はどこかおかしい。規模は違うが、あのやたらデカイ破壊神も、ラゴウも、強すぎる。破壊神なんて、賢者の言葉を信じるなら捕食が目的の強さの規模を超えている。