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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第八章『破壊神』
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破壊神(9)

3018年 11月11日


リューマ山の間から、黒くて冗談みたいにデカイ柱が生えていた。


周囲の木と比べても、かなりでかい。デカイ柱に見えたものは出来損ないの粘土の置物みたいな、とにかく不気味なやつだ。心なしか青くなっている賢者の爺さんいわく、これが噂の破壊神らしい。


そう言えば、この山に来た時、大災害がうんぬんカンヌンと言っていたが、それのことらしい。もう姿が見えてるので封印が解ける一歩手前なのだそうだ。


爺さんは俺に精霊がなんたらで、上手い事やれば破壊神を再度封印出来る方法を教えるために呼んだらしい。精霊とはまたファンシーな言い草だ。


なんだかんだと言っていたが、破壊神が生物だと言うのであれば殺してしまった方が早い。賢者の爺さんにそう提案したら、それができれば苦労はしないと怒られてしまった。


なんでも、自由になった破壊神は自由気ままに暴れまわって、イカズチを降らして回る暴君らしい。でも生物ありうるのか? イカズチって、雷のことだろ? 十億キロワット以上の電力を生物が発生できるってんなら、宇宙船のメイン機関になっていてもおかしくない。


本当だとすれば文字通り、化け物だ。


おまけに爺さんの封印の方法だと世界中を旅しなければならないらしい。

「この国が滅びても、主はあきらめてはならん。世界が滅びる前に、奴を封印するのじゃ」とか何とか言っていたが、そんな事をしている暇は俺にはない。


手っ取り早くナノマシーンアンプルを打ち込んでやろうと思ったが、なんだか膜の様なものが邪魔してうまくいかなかった。爺さんの話では、それも破壊神の能力らしい。


めんどくさい生き物だ。というか……どんな理屈か、さっぱり判らん。


この星のとんでも生物は俺の予想をちょいちょい超えてくるから厄介だ。


多分、磁力とか、空気圧縮とか、そんな類いだと思うが……わからん。学者様なら判るんだろうか?


しょうがないので、戦車の主砲を使う事にした。まったく破壊神とやらの理屈は判らんが、宇宙船の主武装に匹敵する攻撃力をぶつけりゃなんとかなるだろう。


元々は隕石を破壊するために開発されたものだ。雷だろうが、台風だろうが、大気ごとねじ切ってやればいい。


次の満月まで封印が持つと言うから後十三日くらいはある。


ラゴウを足に使える大義名分も手に入るし、アカ子の捜索に関してはむしろスムーズになるかもしれん。せっかく商会に紹介してくれたオスマンさんには悪い気はするが。


もし動く家がアカ子じゃなければお慰みだ。アンリエードだけはなんとしても救出しよう。


リンガーレイフォンが着いてくる気だったが、断った。後頭部が変形したら大変だ。


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