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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第七章『繋がり』
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守人(21)

3018年 10月12日


今日はミリア嬢と相手方の初顔合わせだ。


顔も合わせた事が無かったのかと驚いたが、ダンスパーティーで合った事自体はあるらしい。社交界と言う奴だろうか?


まともに話をするのはこれが初めてとの事だったが、それって初対面とほとんど同じだ。その為か、ミリア嬢も心なしか気合が入っていた。


異性に対して気合いが入ってる姿を見て、俺もああだったかとも考える。しかし、どうにも華々しい思い出が無く、彼女に振られた事を思い出す始末で、なんだか気がめいる。


新しい恋を探そうともせず、宇宙の彼方に飛んで行った俺はナイーブなのだろうか?


枯れているとは思いたくないが、コールドスリープを加えた年齢は百歳を超えている。地球での年齢でいえば、生きた化石だ。ちょっとしょんぼり。


しかし何であれ、幸せなろうという若人の邪魔をしちゃいけない。


人の恋路を邪魔する奴は粉砕骨折という慣用句もあるくらいだ。

命短し、恋せよ乙女ともいう。ミリア嬢にとっては戦場も同じ。


俺自身も敵が来るかもしれないと気合を入れて、顔合わせに挑んだ。


旦那候補はしっかりして、優しげな男だった。見た感じ年はお嬢より上で、どこかフワフワとした浮ついた所があるお嬢には、ちょうど良いかもしれない。


軍の上司に年上は木靴を履いてでも探せと聞いた事がある。


二人が庭でお茶を楽しんでるときに敵が現れた。

庭の壁を壊しての強襲だった。


先日と同じ石で作られたゴーレムが三体。鉄で作られた他のゴーレムと同じデザインが一体。

見るからに鉄の奴は特別そうで、装飾も気合が入っていた。


さらに犯人らしき男も現した。マントとマスクで姿を隠していたが、身長や体格的に男で間違いないはずだ。「真実の愛は僕にある!」とほざいていた。


痛い男だ。見てらんない。


こんな事もあろうかと使用人には避難の手順を確認し合っていた。


使用人は逃がす係。俺はぶっ飛ばす係だ。


俺は丸太をふるった。手作り武器だが、一回の戦闘で使うくらいならどんとこいだ。俺が丸太で鉄ゴーレムをぶん殴ると犯人は驚愕していた。


丸太は鉄に勝った。


しかし被害を拡大しそうな鉄製のゴーレムを一番にやったのがまずかった。


「僕はあきらめないぞ! 絶対だ!!」典型的な捨て台詞と共に、鉄のゴーレムをやられた犯人は煙球を使って逃げてしまった。


石ゴーレムが妨害してきたので追いかけられなかった。


石から片付けておけば追いかけられたものを……安全に気持ちを配りすぎた。


敵の認識も上がるはずだ。俺を引きはがしに掛かるかもしれない。


今後も頑張って護衛しよう。


しかし、ゴーレムは量産できるのか。なんでこの星の軍には配属されてないんだ?


単純に見落としてたのかな。待機状態だったら、ただの石に見えていたのかも。


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