守人(17)
3018年 10月8日
今朝の見回りで罠が何個か発動していたのを発見した。
泥水落とし穴と、炸裂生ごみ二号機、色つきねばねば水ぶっかけ君だ。
屋敷で働いている人間の誰も引っ掛かってなかったので、犯人かもしれない。
少しミリア嬢の出発を遅くしてもらって、屋敷の周辺で聞き込みを行ったが、あいにくと有力な手がかりは見つからなかった。泥水と異臭と色水で装飾されていれば目立つはずだが……運のいい奴だ。
調査を打ち切り、ミリア嬢と旦那候補の家に行く。
顔を合わせておしゃべりでもするのだと思っていたが、住む事になる家と部屋を見るだけだった。
俺はお付きの少年と言った扱いだ。槍はさすがに……と家の人に止められたので、適当な薪の木をナイフで削って持ちやすくしたものに布を撒いて腰に下げている。
剣を買う時間もないし、いざとなればスタンガンがある。
旦那さんの家では異人で、子供で、お嬢さんの後を付いてまわる変な子として扱われているような気がするが……まあ、この扱いも給与のうちだろう。
しかし、家が大きいと思っていたが、これは現在使ってない旦那さんの家の持ち家で旦那さん家族はもっと大きな家で暮らしているらしい。
「新婚さんだから、夫婦だけの方が良いでしょうと言われて、こちらに引っ越すの」
そんな事をミリアお嬢は嬉しそうに言っていたが、召使いが暮らす部屋もちゃんと合った。
上流階級では召使いは家族の人数には入らないらしい。そりゃまあ、そうか。
飯の準備なんて、地球だと簡単だったが、こっちだと火をおこすだけで一苦労だ。
しかし開いている屋敷が一軒あるというのも豪勢な話だ。
それでもリフォームする為にミリアお嬢はいろんな業者を相手に注文を言っていた。
ミリア嬢はカーテンの色とか、絵であるとか、テーブルが気になるとか。椅子の座り心地がどうだとか。
一緒に生活するにあたっていろいろと調整が居るらしい結婚と言うのは手間がかかる物のようだ。
男女がとりあえずは一生添い遂げる事を前提で生活するのだから、手間がかかって当たり前の様な気がしないでもないが。
なんにせよ、俺にはほど遠い話である。




