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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第七章『繋がり』
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守人(16)

3018年 10月7日


罠は特に反応なし。不審な影もなし。


最近罠を考えて作るのが楽しくなってきた。数は今日で五十個になった。


とりあえずミリア嬢の婚姻が終わるまで、庭には俺以外の誰も入れなくなりつつある。最悪、家の人が引っ掛かっても良いように死ぬようなたぐいの罠は作ってないが、我ながらいやらしい罠も多い。かたづけるのが今から考えても面倒だ。


楽しさはあるが、一先ずここで打ち止めとしておこう。


いっそ犯人を捕まえたら、罠の餌食ツアーをしてやっても良い。連続五十個の罠が次々と炸裂するのは楽しいかもしれない。


ミリア嬢からもっと古い歴史を聞いた。ミリア嬢が学んで知っているのはここ三百年ほどの歴史らしい。それより古いものとなると、デルフォースの歴史を離れて一気に神話の時代までいくそうだ。


そんなものかなと思ったが、ミリア嬢の年で結婚が当たり前となると三百年でも十五代くらいまえの話である。それだけ昔となると、このご時世だ……よほど研究してないと資料も出てこないのかもしれない。人は歴史に学ぶが、歴史はご飯を作ってくれるわけではないのだ。なかなか難しい。


逆に神話の話となると、いろいろあるそうだ。ドラゴン伝説とか、天使とか、悪魔とか、神様とか。天使と悪魔のイメージは地球のものに近かった。人間に翼が生えてて、天使は白、悪魔は黒らしい。俺のイメージでは悪魔はコウモリのはねだったがこっちでは普通に鳥のはねだった。細かいところではやはり違うらしい。


神様の定義は絶対神で、天使も、悪魔も神様の手先らしい。


別勢力ではないところが面白い。


もう少し詳しく聞きたかったが、ミリア嬢は曖昧にしか知らないから……と言っていた。


そんなものかもしれない。俺だって神様へは漂流した時と、腹痛の時しか祈らなかったし。興味が無ければ特に調べるはずもない。


「教会の方か、学者さんなら知ってるかもしれないわ」


いつか聞く機会があったら、訪ねてみるのも良いかもしれない。


明日はミリア嬢が顔見せに、旦那候補の家に行くらしい。屋敷の外で襲われる可能性がある。気を引き締めていこう。


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