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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第七章『繋がり』
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守人(14)

3018年 10月5日


今朝、昨日仕掛けた罠を見に行くと下働きの男と女が揃って同じ落とし穴とロープを用いた罠に捕まっていた。

それもなにをしていたんだと思うような姿で。


二人は現れた俺に顔を赤くして黙っていてくれと懇願してきた。


執事の人には許可は取ったのだが、どうやら連絡が行き届いていなかったらしい。

反省である。


とりあえず、見逃して上げた。別に屋敷の風紀をどうこうするのが仕事ではない。

まったくけしからん。


ご用聞きの男が商会から来たのでいろいろと訪ねて罠に使えそうなべたべたするトリモチのようなものと、水を打っかける際に嫌がらせように苦い木の実を買ってみた。


香辛料は使うには高かったので止めておいた。胡椒爆弾や唐辛子水など久しぶりにやりたかったのだけれど。


午前中だけで、罠の数は三十五へ増やした。ちょっとやり過ぎた。


生ゴミの落とし穴は屋敷で働いてる人たちには喜ばれた。ゴミ捨て用の穴を掘るのはなかなかの重労働らしい。手助けになっているなら幸いだ。


罠作り自体は久しぶりなのでかなり楽しい。


合わせて屋敷の人間に下手に庭をうろつくなと改めて警告しておいた。殺傷能力のある罠はまだ仕掛けてないが、警邏する奴等との打ち合わせも入念に行う。


ちゃんとマッピングしてないと分からなくなりそうだ。丁寧にやる事にしよう。

庭が広くて良かった。まだ増やせる。


久しぶりの工作はたのしい。


午後からはミリア嬢とお茶を飲む。俺が大人だと知ると、とても驚いていた。


彼女自身は脅迫状を出した相手に覚えがないと言う。


確かに彼女は恨みを買うようには見えない。逆に好意を持たれての犯行だろう。


監視センサがあれば不埒ものを探知できるのだが、この星には監視カメラもありはしない。


地球だと監視が本格的に問題になったのは二十三世紀頃だった。その後、宇宙地震が起こってそれが革命に繋がって、超監視社会の幕切れとなるのだ。


あるいは脅迫状に関しては、旦那になる方に理由があるのかもしれない。


そうした腹を探るのは難しいのだろう。探って良くないものが出てきたら大変だ。


この辺りに、大々的に護衛をつけられないわけがありそうだ。

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