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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第七章『繋がり』
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守人(9)

3018年 9月30日


ようやく二番隊基地に付いた。


ドーレスに借金を返す。


王様に呼び出しをくらった話はドーレスにも伝わっていたらしく、心配してくれていた。


たぶんクラウンの経由だろう。そう言えばあいつはちゃんと帰ったのかも良く知らないな。


宝石騎士のリンガーレンフォンと戦ったと言ったら、ずいぶん驚いていた。


何でも彼女は天才として有名人で、どこそかの有名な剣術道場の免許皆伝を最年少で手に入れたのだとか。それがどれくらいすごいのかはよくわからんが、天才だと言うのには納得だ。


あの胸でも有名なのではないかとふと閃いたが、訪ねる事は出来なかった。

知り合いに下品と思われても得する事は無いも無い。


それでも言いたかったら言ってしまう事もあるのだけれど。


俺が使用する武器について相談に乗ってもらうと、武器の選択については難しいとのことだった。


傭兵という仕事においては、人間以外にも、動物や、化け物を相手にする事がある。

その時に鈍器を選んでしまっていると、ひどく頑丈であったり大型の敵がいた場合は戦いにならない場合が多いらしい。


剣や槍の場合であれば、裂傷を負わせる事が出来る。与えるダメージの効果の幅までは考えていなかった。


さらにドーレスいわく、鈍器では手加減もしづらくなるそうだ。


この星に来てからもそうだが、実力を見せて相手を黙らせる事は多い。

俺は子供に見られるので舐められるのだ。

だが俺としても、殺すのは忍びない。出来るなら殺さない方が良いだろう。


しかし鈍器をのど元に突き付けても脅しにはなりにくい。


重さで攻撃するものなので振りかぶった状態が一番怖いのだ。


接近している状態で突き付けられても鈍器では怖くないのかもしれない。


さらに言うと、単純に値段の話にもなるそうだ。


槍、剣などは使う人間も多いだけに、その値段が安い。砥ぎ直しなどの手入れにもお金がかからないが、そのほかの武器となれば、特注である可能性もある。


そうなれば無論お値段も高くなるそうだ。納得の理論だ。


多少生活のめどは立ったが、高いのはいやだ。


「だがこれは一般論だ。君は……やらたと力があるから、問題ないかもしれない。刃物も切れ味が落ちる事はあるし、折れてしまう事だってある。モノは言いようだ」


ふと思い出したようにドーレスが続けて、アンリエードの旦那さんは有名な武器収集家だと言う話を持ち出した。


言われてみれば、あの家にはいろんな武器があった。


逆にいろいろありすぎて、オーソドックスな武器を選んだ気がする。


思えば、槍も餞別としてタダでくれたし、彼女なら武器を安く譲ってくれるかもしれない。


ドーレスはなんなら直接行って、いろいろ触ってきたらどうだと素晴らしいアイディアをくれる。相談してよかった。


今から行きたいところだが、あいにくとそこまでの余裕はない。宇宙服を回収しないと行けない。


「手紙を出しておいたらどうだ? 私が出しておいてやろう」


……そう言われて初めて手紙の存在を思い出す。なるほど、自分が行かなくても良い手軽な手段だ。


僕は元気でやっています。記憶もだいぶ戻ってきました。今度、改めてお礼を持って顔を見せます。その時、旦那さんの武器コレクションを見せてほしいと思っていますという内容だ。


実際はもっと丁寧に書いた。


武器はアンリエード邸に付いた時に実物を見ながら考えよう。


昼に出発する乗合馬車にそのまま乗った。明後日には町に着く。


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