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王都へ(3)
3018年 9月10日
宿に一泊してさらに馬車の旅。
気になるのは移動中の馬車の中の雰囲気が最悪なことだ。じつに気分が悪い。
昨日の剣とヘルメットの件が尾を引いてる感じだ。
俺のせいだが、俺だけが悪いわけじゃない。最初に喧嘩を売ってきたのは向こうだ。
しょうがないので、俺一人で王都に行くことにした。
そう言うとオバサンは慌てていた。
なぜだと聞くので、馬車の空気が悪いと言うと、お前が悪いんじゃないかと返された。
俺が原因だろうけど、俺が悪いわけじゃない。まったく、反省が無い。無礼千万に加えて、俺を悪者にしようとしやがって。
特に付いて行かなければならない理由もなさそうなので、独力で王都に行くことにした。
トイレと言って逃げた。
馬車は日中に村一つ分しか進まない。
次の次の村まで頑張って走れば、オバさん達より早く王都に付けるだろう。