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独り立ち(41)
3018年 8月26日
この星にたどり着いて二月ほど経過している。
一先ず、食べて行けている事を喜ぶべきか。まだ何のめども立っていない事を嘆くべきか。
先に生活の安定を考えるべきかは悩ましいところだが、どうにも異人扱いではそれも難しいようだし……やはり、このまま名前を売るしか無いだろう。
少なくとも、アカ子を見つけるのが先だ。お舟に関しては絶対に大掛かりになる。
お舟が海に沈んでいるとすれば、サルベージ作業が必要になる。だが、見る限りこの星の技術力は低い。深海探索船が作られたのって二十世紀か、二十一世紀だったように思う。昔、潜水士の映画を見た事がある。
宇宙服を転用して潜水服に出来ないだろうか?
船外活動は五時間まで出来たはずだ。タンクに空気を入れて、体を紐で縛って海中に沈めば良い。と、思うが……そこはかとなく不安だ。
宇宙で放り出されるのと恐怖感は変わらないはずなんだが、水に入ると言うのは想像できる分だけ怖く感じるのかもしれない。
しかしそれでも抱えて引き上げるのは無理なんだよなぁ……重さの桁が違うからな。
そんな重量に耐えられる船はあるのか?