独り立ち(26)
3018年 8月11日
俺の定位置は、乗合馬車のお客用の前方の席だ。
操舵席の横の席と馬車の後ろにはそれぞれ、おじさんおばさんが座っている。
どうも戦力として数えられていない気がするいが、まあしょうがない。
手っ取り早く山賊でも出てこないかな。五日から六日にかけて目的地まで移動。
そこで一泊してから、折り返すのが通常のプランらしい。
しかしこのタイプの仕事は移動する馬車に乗るだけだ。
傭兵夫婦の話だと、馬車の護衛と言うのは傭兵にとっては基本の仕事らしい。
いわく、基本的に傭兵の仕事と言うのは三つあるそうだ。
一つが護衛。もうひとつが探索。最後に戦争らしい。
護衛は文字通り、守る事だ。乗合馬車の警護もこれに当たる。
探索は物を探したり、人を探したりする事らしい。これらは探偵なんかの仕事に近いようだ。傭兵の中でも特殊な技能を持つ特別枠らしい。
最後の戦争は、解りやすい。その通り戦闘要員だ。
稼ぎはいいが、その分リスクは段違い。
軍に入るのもここからが多いらしい。ふむふむ。勉強になる。
それにわざわざ、こんな話をするという事はジョージの差し金かもしれない。ありがたく教えを乞おう。