独り立ち(24)
3018年 8月9日
昼間に行くと、酒場には変な奴がいた。名前はジョージ。鼻も態度も腹もデカイ男だ。
それが傭兵のハローワークの受付口らしい。年は大体四十かその手前くらいだろう。
俺を胡散臭そうに見ていたが、正面に座るのを止めるまではしなかった。
自分が傭兵になりたい事、腕っ節には自信がある事、この辺の土地には不慣れな事を伝えた。
それだけか、とジョージは言ったが、それで十分だと俺は思った。
傭兵は初めて、ここら辺の土地には不慣れ、だが腕には自信がある。つまりは単純な仕事をくれと言う事だ。「簡潔なのはいいことだ」とジョージは笑って、仕事をくれた。
仕事の内容は乗合馬車の警護。うむうむ、簡単な仕事で、しかも同伴者付きだ。
このジョージという男、そこそこ有能かもしれない。見た目は悪いが。
出発は明日という事で、簡単に装備を整える。
基本的に戦闘服を着ておけば問題はないが、見た目がどうにも貧相だからだ。
どうせ体が小さいのだから、戦えそうな格好の一つもしておいた方がいいだろう。
サイズが合うのは無論なかったので、着れそうなものから適当にあつらえた。グローブとひじ当て、ひざ当てと、丈夫そうな服だ。
金属製の鎧にも憧れないではないが、高いし……俺の体格に合うのなんて無い。
だけどフルメイルには憧れるな。まあ……宇宙服がフルメイルと言えばフルメイルなんだが。
とんがってたりしてかっこいいのだ。