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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第六章『大地』
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独り立ち(17)

3018年 8月3日


約束通り、村にラゴウが現れた。事前には言っておいたんだが、誰も信じてくれてなかったから大パニックだった。


俺は悪くないと思うが、俺がやっぱり悪いんだろうか?


ラゴウいわく、賢者は俺になら合うと言う。唖然としている村人に見送られ、その背にまたがる俺かっこいい。


多分、端から見るとぬいぐるみに乗る子供みたいに見えたんだろうが……まあ、そこは気にしてもしょうがない。


空を飛べば、森までは楽らくだった。


賢者が住んでいると言うのは、山の中ごろ。岩をくりぬいたような家だった。


現れたのは実に賢者らしい、しわくちゃの爺さんだった。


爺さんの言うにはこの山は危ないので、人間を入らせるわけにはいかないと言う。そんな事を言われても正直困る。


この山は三百年くらい前に訪れたそれはそれは大きな大災害の中心部で、よくないものが封印されているとか。


それも爺さんは三百年生きてるらしい。


いろんな意味で 完全に眉つばだと思う。しかし、それを否定できる材料もない。


うるせー、俺の知った事か! と暴れて、ラゴウを仕留めてしまえば話は早いのかもしれないが……なんだかそういうわけにもいかなくなってしまった。


俺が悪人だったら話は速かったのだろうけど……。


俺の悩みに気がついたのか、代わりに財宝をやろうと爺さんから提案があった。


伝説の剣とか、太陽の斧だとかを差し出されるがそんなものはどうでもいい。お金になるやつは? と聞いたら、呆れられた。


仕方ないだろうが、こちとら難民と何の変わりもないんだぞ。

星単位の難民だ。そう考えるとなかなかすごいな。それにすごいお宝なら、出所でここの話も出来るじゃないか。


おすすめの偉い王様の冠とやらをもらった。宝石がちりばめてある高そうな品だ。


ラゴウを倒して、軍に入ろうと思っていたが……そんなことをしなくてもお金があれば、とりあえずアカ子を見つけることが出来るかもしれない。


アカ子と合流できれば、戦車に積んであった装備も使える。そうなればお舟の探索もだいぶ楽になるはずだ。


お舟の救出は難易度がもう一段違うはずだからな。


お金稼ぎはありだと判断した。というか、正規だと思われる軍人ルートは障害が多すぎる。


こうなればアウトローになろう。命の危険は増えるがしょうがない。と言うわけで、貰うものを貰って村に帰った。


帰りは歩きだった。ラゴウのケチめ。


村人から、やたら質問されたが、実は僕は動物とおしゃべりができるのですとか適当な事を言ってごまかした。


ラゴウが普通に喋ってるところを見られていたかもしれないが、豪語すれば何となく信じた。

意外と勢いで何とかなるものだ。


とりあえず、明日の朝出発して、二番隊の基地に帰ろう。


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