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独り立ち(10)
3018年 7月27日
強引に連れて来たアイシャには悪い事をしたなと思ったが、アイシャ自身は遠足気分のようだ。
年齢を聞いてみると地球換算で約十四歳と言うまさかの低年齢だった。
身長は俺と近いが……なるほど、そりゃそんな年なら背が低いよね。
アイシャは緑の髪の毛をした垂れ目でのんびりとした顔立ちの子だ。
クラウンは彼女を見習えばいいと思う。年の割にはしっかりしているというのが俺の感想だった。
十四と言えば俺だったら、孤児院を出て、軍学校に入ったくらいだ。
そんな年で働いているなんて驚きだ。しかも悲壮感がない。感心しきりだ。
おまけに記憶喪失であると話すと同情してくれた。ええ子や。
しかし、逆に考えると俺は十三から十五歳くらいに見られてると言う事か? もうちょっと下に見られているのは顔立ちのせいだろうか……確かに童顔ではあるのだが。
今日は途中で馬がぐずり、予定より先に進めなかった。
機械じゃないのはこういう時によくない。キャンプするはめになってしまった。
アイシャが風邪を引いたら大変だ。