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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第六章『大地』
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独り立ち(7)

3018年 7月24日


このまま下働きしていてもしょうがない。


年齢詐称のせいで、がんばって認められるという事もなさそうだし……ここは踏ん切りをつけねばならない。


そう考えて、下克上することにした。格闘訓練中の所に、一対一の勝負を挑んだ。


最初はふざけた様子で、乗ってくれていた女性たちも一人倒し、二人倒しとしている間に、顔色が変わってきた。だが怒りで赤くなった顔色が青くなるまでそう時間はかからなかった。


怒涛の二五人抜きをしたあたりで、対戦相手がいなくなってしまった。


リミッタの解除はドーレスと戦ったときと同じ三十パーセント。


一対一なら、戦闘服がなくても問題はない感じだ。念のために、服の下に着込んではいるが、特に内蔵されている装備を使わなくてもなんとかなる印象だ。


次に来たのはあきれ顔のドーレスだった。完全武装、油断なしのドーレスはこれがかなり強かった。


やはりあの時は油断していたと言う事なのだろう。


正直、技量では大幅に負けていたと言っていいが、身体能力にものを言わせれば勝負にならないレベルではなかった。


リミッタは四十まで引き上げた。しばらく撃ち合いを続けていたところで、待ったがかかった。


二番隊の隊長のご年輩だ。呼び出されて、注意を受けたが、俺は気にせず自分を売り込んだ。けれども芳しい答えはもらえなかった。


状況としては、やはり俺が異人であることからの信用性の無さ。そして子供に見える事がよろしくないらしい。戦争をしていない上に国の上層部は四年前の戦争以降、和平路線……。

となれば、軍部縮小の話も上がっている中で、わざわざ出所もわからない俺を雇うメリットもないと言われてしまえば、ぐうの音も出ない。



そのせいで基地内がだれているのかと納得する部分も合った。


治安維持以外の仕事が無い状況では有事専門のこの部隊はやる事が殆どないのだ。


もう四年早ければ、話は早かったのに……。


逆に困っている事はないかと聞いてみた。


アプローチを変えたい。だがないと言われた。


とほほ。


とりあえず、下働きは続けられるらしいが……どうしたものか。


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