独り立ち(6)
3018年 7月23日
アイシャがメイドであることが判明した。
と言うよりも、俺がやっているのがメイドの仕事だった。
話が違う!! 俺は家事手伝いの仕事が欲しかったんじゃないぞ!
エプロン姿でドーレスに話を聞きに行く。
どうやら子供であり、身元不明の俺を軍人として入れるのは不可能であったとのこと。
「大人になったら一番隊に推薦するからそれまで面倒を見てやるぞ」などと言われたが、話が違う。
そんな大事なことを隠すんじゃない!
と言うか、そもそも俺はこれ以上大きくはならないのだ。
怒り心頭の俺にドーレスは「代わりになんでも命令していい」なんて男前な台詞を吐きやがった。
ちくしょい! てやんでばろーちくしょうめ!
暴れてやろうかと思ったが、ここで暴れるとアンリエードから離されたことが正解のようになる様な気がして、俺は暴れなかった。
しかしチャンスだと思っていたのだが、うまくはいかないようだ。
とりあえず、今出て行っても仕方がない。
ひとまず文句を言っただけで下働きに戻った。
しかし、どうしたものか。完全に当てが無くなった。
うーむ。メイドの仕事をしてても飯の心配をしなくていいだけで、アカ子もお舟も見つかるわけないぞ。