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未知との遭遇(19)
3018年 7月18日
クラウンは隣の領主の娘の一人らしい。
コルビナー領と言って、今居る領土よりかなり大きく、デルフォースでも主要な領地の一つだと言う。
いえい、やったね。目的が達成しやすくなった。
明日、領地へ帰ると言う事なので、それに付いて行く事にする。
昨日に引き続きドーレスに槍の稽古をつけもらった。剣と槍と弓は武人にとっては基本であるらしい。
火薬を使った武器の話を訪ねてみる。どうやらまだ大砲しかないようだ。
おそらく火薬の質、そのものが良くないのだろう。
クラウンは村の代表である嫌味親父にあいさつに行っている。
アンリエードは俺がいなくなる事をたいそう残念がってくれた。優しい人だ。
「いつでも帰ってきていいからね」とまで言われて、涙が出る。
孤児院では出て行く時「寄付金以外は受け付けない」と言われたせいもあるだろう。
それともあれは、ああいう叱咤激励だったのだろうか?
きっと出世して恩を返します。と言うと涙ぐんでくれた。がんばろう。