未知との遭遇(18)
3018年 7月17日
昨日の日記は長すぎた。勝ったことで興奮していたらしい。
ドーレスは俺の動きに感心しきりだった。負けた恨みなど無い様子で、ずいぶん気風のいい女性のようだ。
聞けばドーレスはクラウンの家が所有する近衛騎士団の二番隊の副隊長だという。
どうも、地球の軍の考え方が頭にあったが、軍と言っても一括には管理されていないらしい。
基本的には領土ごとに軍がある。他国との戦争をする際は、それらを王族の権限でまとめて戦うらしい。
地球では◯◯軍△△基地所属で済むところが、この国では〇〇軍◎◎領△△基地所属と言うわけだ。さらにこの後ろに部隊の名前がつくのだ。またそれに合わせて領が違えば軍隊の仕組みも違うとか。統一した方がらくだと思うが、洗礼されてないと言う事なのだろう。
確かに王様が一括で管理するより、領土内ごとで管理ができて、通信機器が発展してない状況では楽なはずだ。
その分、統一感には欠けるが問題としては薄いのだろう。
また管理内容が違えば兵の実力にばらつきが出てしまうと思うが……剣や、槍で戦う時点で平均の実力は求めてないのかもしれない。
しかし勝手に軍と言う組織が兵隊を全部を管理していると思っていた。偏見を捨てよう。
命令権で近衛騎士団に入りたい事を伝えた。
クラウンは猛反対。しかしドーレスが面倒を見てくれると言ってくれ、しぶしぶながら了承された。
昨日の敵は今日の友か。槍の稽古も付けてもらった。ドーレスを気絶させた一撃は、記憶喪失で誤魔化した。