未知との遭遇(17)
3018年 7月16日
チャンスは急に来た。
突然、女性が二人。アンリエードの家にやって来たのだ。
デカイ女ともっとデカイ女だった。
デカイ方の名前をクラウン。年は十代後半くらいだろう。金髪に、整った顔立ちをしていた。
目に力があって、わがままな印象を受ける。
もっとデカイ方は、ドーレス。年は二十代半ばくらい、濃い赤色の髪に、掘りの深い顔立ちでがっしりと鍛えられた体格をしていた。鍛えられ方からすぐに軍人であることが分かる。ドーレスは相当な猛者だと思った。
二人とも鎧を着ていたが、クラウンの方は着慣れていない印象だ。
どうにもアンリエードの家に男が入り込んでいると聞きつけてやって来たらしい。
話を聞けば、アンリエードの息子とクラウンは婚約していたそうで、アンリエードから見れば、クラウンは義理の娘と言う事になるそうだ。義理の母に変な虫がついたと知って、心配になってやってきたらしい。
変な虫とは無論、俺の事だ。
同時に、三男坊を殴ったことも知られていた。
危険だと判断されたのか、クラウンは完全に俺を追い出すつもりで来ていた。
ドーレスの方は、彼女の部下か何かに当たるらしい。
アンリエードは俺をかばってくれたが、彼女は物腰が強いほうではない。
二人は明らかに軍事関係者だ。入り込むチャンスだ。
そう考えた俺はまず、出ていくことを拒絶し、無理やり追い出そうとしているところに条件を付けた。
勝負をして、負けた方が勝った方の言う事を聞くというものだ。
向こうはそれに乗った。
その時点で俺の勝ちは決まったようなものだ。
戦う相手はドーレスだった。俺との身長差は一メートル近い。
だが、俺にはアフリカゾウを一撃! と評判のスタンガンがあった。
戦闘服の掌に仕込まれたそれなら抵抗も出来ない一撃となる。
つぶした剣を使うドーレスはかなり強かった。体はでかいが早い。そして力を強い。
しかし、俺を舐めていた。いや、手加減してくれていた。
俺は様子を見ていたが、その後遠慮無しに戦った。体のリミッタは30パーセントだった。
ぶっ倒れたドーレスにアンリエードとクラウンは唖然としていた。
命令は一晩考えるという事にしておいた。じっくり考えよう。