未知との遭遇(10)
3018年 7月9日
この星には“魔法”と言う概念があるらしい。
地球でも二十世紀ごろまでは生き残っていた文化だ。
錯覚、幻覚、気のせい、などの集大成だと俺は思う。
あんなものはインチキだ。
しかし古くでいえば、錬金術などは科学の進歩に関係しているのだから馬鹿に出来ない。
そこから医術や、科学などが進歩したりしているのだ。いわば嘘から生まれた真である。
火を操ったり、精霊と会話できるとアンリエードの知識にはある。火を操るとは火薬の事だろうか?
アンリエードも深くは知らないらしく、それ以上の知識は出てこなかった。
ともすれば、この星のどこかでは火器が開発もしくは使用されている可能性もある。
火器の有無は民主制の誕生にも関わってくる要素だ。俺はこの星の時代の転換期に居るのかもしれない。
そんな考えと昨日の事もあり、この土地の身分制度を学ぶ。
どうやら、民主制はこの星ではまだメジャーではないようだ。
大まかに言うと、王様が一番上。その下に、土地の管理を任されている領主がいて、その下に平民がいるらしい。
平民の間での取り決めなどは多数決を取る事もあるようだから、民主制の概念が全くないわけでもないようだ。政治システムとしては確立されていないだけだろう。
昨日来た爺は村の代表だと言うから、地主の様なものか。税のとりまとめなどをしているのかもしれない。
詳しく言えば、国の役職は右大臣とか左大臣とかなんだかんだで官僚の種類は多いらしい。
官僚に関しては一先ずは関係ないと括って良さそうだ。上手い事、王族に知り合いでも出来ないかな?