未知との遭遇(9)
3018年 7月8日
そう言えば昨日は七夕だった。
一日の時間も違うし、宇宙で飛んでいた時間でぐしゃぐしゃだが……少なくとも俺の体感時間を尊重すれば七夕だ。
親父の話では、問題のある恋人が会える日だそうだ。
この星からでも、天の川は見える……星座はまるで違うのに。考え深い。
しかし、どうやら昨日の三男坊をぶん殴ったのはまずかったらしい。
話を聞きに、わざわざその親父とやらがやって来た。息子とよく似て頑固そうな親父だった。
大人にもなって、親を話に出してくるところが気に食わない。
この親子、人の話を聞かないところがよく似ている。
異人の子がどうのこうの、引き取るなんて気がしれないなど、どうのこうの言ってくれていたので、息子同様にぶっ飛ばしたかったが、アンリエードの手前何も言えなかった。
チャンスがあったら、めり込ませてやる。体の出っ張ってる部位を全部だ。
しかし、俺のせいで怒鳴られたにもかかわらず、気にしなくてもいいからと微笑んでくれたアンリエードの優しさには胸を撃たれた。
彼女は命の恩人だ。たとえナノマシンの影響で言った事なのだとしても、この恩には報いねばならない。
明日も手伝いを頑張ろう。