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漂流(23)
3018年 6月29日
再び雨。今回は吐く気力もない。
揺れる救命バルーンの中で、艦長席に腰かけているとまるでゆりかごの様だ。
赤ん坊だったら、さぞやひねた子供になるに違いない。遺書を書いていて良かった。頭がよく回っていない。
もし生まれ変わったら、少しは良い事をしよう。そうすりゃ運も良くなるだろう。
あと、もうちょっと先の事を考えて行動しよう。ああ、でもそれじゃ、アカ子とお舟に出合えてないのか。
それは良くないな。うん、そう考えると悪くはなかったのかもしれん。
願わくば、二人は助かりますように。