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漂流(22)
3018年 6月28日
漂流二十二日目。
寝ているのか、起きているのかわからない日が続いている。
腹がへっているから、寝ていた方が楽だ。死んだ方が楽かと思うことが続いてる。
だが死ねない。孤児院のころの俺が、俺を睨みつけてくる。何も言わない。
ひねたガキだった。生きる事にどん欲だった。死ぬのがあのときも怖かった。
他人に生かされてれるのが不安だった。だから軍学校に入ったのだ。
今も怖い。死ぬのが怖い。体が大きくなってもあの俺と今の俺は何も変わってない。
返事くらいすれば、話し相手になるものを。かわいげの無いガキだ。
むしろ死んでは駄目なのだろうか?
いや、死んだらアカ子もお舟も困る。助けると言ったのだ。
自分からは死ねない。死ねない。死にたくない。
あの頃と同じだ。俺は死にたくない。