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漂流(19)
3018年 6月25日
絶食十二日目。
海流には乗っているはずだ。だから陸地にたどりつくはずだ。
そうすれば死なずに済む……。
そうは思う。というか、漕いでは体力が持たなかった。
こぐ道具も無かったし、方向に当てはないのだから。
俺はこうするしかなかった。多分間違いない。今生きていると言う事は、その点ではうまくいっているのかもしれない。
ただ死ぬまでの時間が引き延ばされただけかもしれない。
その間に俺がしたのは釣りに失敗して、遺書を書いただけだ。
果報は寝て待てと言うが、永眠してからでは遅すぎる。