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漂流(10)
3018年 6月16日
水を飲む。尿からは匂いが無くなって来た。栄養素が出尽くしたのだろうか?
最近眠れない。寝過ぎているからだろう。
特にやることもなく、昔のことを思い出すことが多い。
軍学校に入る前の、既に忘れてしまっていたと思っていたことが、やけに生々しく思い出せる。
あのときの同級生達はすべて死んでいる。
俺みたいにコールドスリープでもしていたら別だが、そんなに無駄に長生きすることも無いだろう。
それとも永遠の命が発明されたりしているかもしれない。
軍のやらは死後の世界を意外と信じていたが、軍に入る前の俺は信じていなかった。
百光年も離れたこの場所からでも同じ天国に行けるのか? 多分、無理だろうな。