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漂流(6)
3018年 6月12日
漂流六日目。
操縦席の寝心地にも慣れてきた。というかこの生活にも適応しつつある。
人間とは慣れる生き物らしい。
魚は釣れない。食糧は今日を含めて後二日分だ。
陸地は見えない。
寝るしかない。体力の低下だけは押さえよう。
夜に見上げた星空が綺麗すぎて目を疑う。
この星空は宇宙で見上げたときよりも綺麗だと思う。
星座を反射的に探しては見たが、見覚えのある星座があるわけも無い。
この星にも月があり、月の模様も違っている。だが衛星の存在があれば、潮の満ち引きがあるはずだ。
であれば、俺は海流に乗っているはずだ。だから陸地につけるはずだ。
そう信じる他はない。