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2890年(1)
この作品は日記形式で書かれます。
最初から読んでくださる場合は、縦読みを推奨します。
2890年 3月6日
日記を書こうと思う。なぜなら、彼女に振られたからだ。結婚するのだそうだ。
つまり俺は彼女の彼氏ではなかったらしい。手紙だけで別れを告げられた。ショックを受けた。
『タケルさん。私、結婚することになりました。もう連絡しないでください』
活字だけで死のうと思ったのは初めてだ。こんな理不尽なことがあっていいのか。
俺がここで死んだら、彼女は気に病むだろうか? いや、気にしない気がする。そもそも、そんな血も涙も無い女なのだ。畜生。