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知らぬ神より馴染みの鬼  作者: 竹田馬鈴薯
序章 第二節 天冥戦争編
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第五話 総帥

「カグラさん、朝です。起きてください。」


部屋のドアをたたく音がずっと鳴っている。ユリカさんの声だ。


「はい。今行きます。」


まったく朝くらいゆっくりしたいのに。


「朝食です。急いでお召し上がりください。」

「ありがとうございます。ってこんな豪華なんですか!?」


食パンにバター、目玉焼き、焼き魚では飽き足らず、みそ汁と牛乳までついている。こんな朝食をまた食べられる日が来るなんて思いもしなかった。


「ごちそうさまでした。」

「ではこちらへ。」


急いでとか言われたからめっちゃすぐ食べてしまった。そういえば総帥、と話すんだっけか。


「今日は総帥さんと話すんでしたっけ。」

「はい。本日は我々日の丸鬼軍総帥、阿修羅凶子(アシュラキョウコ)様とお話していただきます。」

「強いんですか?」

「現代を生きる鬼の力を扱う人間の中では最も強いとされています。鬼の力を扱うには3つの手段があります。鬼と契約すること、鬼に呪われること、鬼に憑依されること。鬼との契約には多大な代償が課されます。呪われてしまえば、その力に適合できなければ死亡します。憑依とは、鬼との一体化、あらたな人格形成が行われます。それを自分のものにすることができたなら、神に対抗する切り札になる。」

「切り札、、ってことはつまり俺もそうなんですか?俺憑依されてるんですか?」

「いえ、カグラさんは現状鬼に呪われています。ですが死ぬ様子やおかしなところが見られないので、十分力になり得るかと。今から会うキョウコ様は鬼の憑依を自分のものとした方です。着きました。」


ユリカさんが部屋をノックする。


「総帥、連れてきました。」

「入れ。」

「ではカグラさん、どうぞ。」


部屋に入ると、そこには異様な空気が漂っていた。今にも押しつぶされて死んでしまいそうな雰囲気に、俺は息をのんだ。


「名乗れ。」

「諏訪神楽15歳、九州から来ました!」

「お前、軍に簡単についてきて、バカなのか?騙されてるとは思わなかったか。自分の場所や力について、知っているのはおかしいと思わなかったか。」

「はい、?」

「お前が生きてる理由はなんだ。なぜ鬼の力を持っている。答えろ!」


とてつもない圧に負けず、俺は答えた。


「俺は、神が憎い。神のせいで、すべてを失った。俺は、神に頼らず自分で生きて、神に頼らず大切なものを守れるようになりたい。俺は神を許さない。」

「はっはっは。」


総帥はなぜか笑い出した。


「結構だ。なかなかいい男じゃないか。お前みたいなやつはうちにピッタリだよ。」

「え?」

「まあ混乱するのも無理はない。うちの軍が鬼の力を欲しているは事実だが、協力を求めた相手がそれを望まなければそれは強制になってしまう。だがお前のその目標、この軍なら叶えてやれるさ。」

「本当ですか!」

「ああ。お前に何があったかは知らないが、その気持ちとその力があれば、な。明日から訓練に参加してもらおう。今日は軍の施設でも案内されて来い。」

「ありがとうございます。総帥。」

「ああ、キョウコでいいよ。お前のこと気に入った。」

「では、キョウコさん、ありがとうございます。今日からよろしくお願いします。」

「おう、頑張ってくれ。ああそうだ、そのうちお前に話さないといけないことがあってな、その時はユリカを通じて呼び出す。またな。」

「はい!」


総帥、、どんな人かと思ったけど、いい人だった。キョウコさんなら信頼できそうだ。


「お疲れ様です。では軍の施設を案内します。」


話がはやすぎる。


「こちらが訓練道場。剣、銃、拳、さまざまな戦い方で実践的訓練が行えます。こちらが食堂、朝昼晩1日中、好きなものを食べることができます。こちらが温泉施設。兵士の疲れを癒すため最大限充実しています。こちらはゲームコーナー。」

「って旅行先のホテルかよ!!もう大丈夫です。案内ありがとうございます。」

「そうですか。私はこの先の情報制御室によくいるので用があればそちらへ。」

「わかりました。色々ありがとうございます。これからお世話になります。」

「いえ、仕事ですので。」

「いえいえ、あのとき訪ねてくれたのだって。本当に、ここを俺に教えてくれてありがとうございます。すごいうれしいです。」

「そうですか。それはよかったです。では失礼します。」

「はい!また!」


俺は思った以上にいい居場所を見つけられたのかもしれないな。明日から訓練だ。

頑張るぞーー、、おーー!!!!!!

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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