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知らぬ神より馴染みの鬼  作者: 竹田馬鈴薯
序章 第一節 諏訪神楽編
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第二話 出会い

山に捨てられ、1人での生活を始めて3年が経った。


「おら。よし、魚を獲るのもだいぶ慣れてきたな。」


僕はそこそこスパルタ教育で育てられてきた方だと思う。小さい頃の経験を活かして、どうにかこの間8歳を迎えることができた。時々街に降りて色々見て回るが、お金がないので結局山で狩りをするだけだ。あれからずっと、山の頂上付近にある洞窟で過ごしている。僕が生まれたのは宮崎県宮崎市、あの時の病院がどこなのかすらわからない。ここはどこなのだろう。宮崎県であることは確かだが、電柱をみてもそれ以外の漢字が読めない。家からは遠いのだろうか。そんな中、こうしてサバイバル生活を送っている。


「ふぅ、そろそろ焼き魚もあきてきたな。山菜はまずいから食べたくないし。」


いつものように食事していると、1匹の猫が見えた。喉を鳴らしてこちらを見ている。


「にゃぁん。」


片目が失われている。僕のように捨てられ1人で生きているのだろうか。僕は思わず自分と重ね、魚を分けてしまった。


「今日のご飯、なくなっちゃった。まあいい、恩返しとしてずっと一緒に暮らしてもらうからな。」

「にゃんっ。」

「よし、じゃあ名づけだ。片目、、隻眼だから、セキ!」

「にゃ!」


友達ができてうれしかった僕は、しばらくセキと笑いあっていた。


「にしても、お前と過ごすとなると、そろそろお金がいるな。なあセキ、鬼狩りをしてみようと思う。どうだ?」

「にゃぁ!」

「そうこなくちゃな!」


なぜかわからないがセキの爪は鉄でできているみたいで、木や岩程度なら簡単に切り刻んでしまう。僕はセキに手伝ってもらいながらツリーハウスを作り上げた。


「鬼は人の近くには現れない。神様の力で防がれてるらしいからな。まあそんなの信じちゃいないけど。とりあえずこの山の奥は廃村があるんだ。きっと人の怨念が溜まってる。鬼が出るぞ。」

「にゃぁん!!」


鬼とは、人が恐れるもの、形の有無に関係なく、それを司り姿を現す。神は一応、人界の万物にやどるらしい。八百万の神とかいうやつだ。神様がそんなにいるなんて、たまったもんじゃない。


その夜、僕とセキは廃村へ向かった。


「水、、、飯、、、。う”う”う”、、。」

「セキ、あれが鬼だ。やっぱりいた!」

「あぁ?」

「やばい気づかれた!逃げっ、、。」


逃げた時にはもう、僕は足を掴まれていた。


「どうしよう、死んじゃう。やめて!殺さないで!うわあああぁぁ。」

「シャー!!」


セキが威嚇した次の瞬間、鬼は切り刻まれ、死んだ。


「セキ、、。セキ、、、!ありがとう、。」

「にゃあ。」


僕は恐怖のあまり泣いてしまった。セキはやはり強かった。思った通りだった。セキが一体何なのかはわからない、でもきっと、2人ならずっと生きていける。


「この死体、この山の下のヤクザが買い取ってくれるみたいなんだ。いつも偵察してた、一回だけ見たことがあるから、きっと取引できる。」


そのあと、セキを連れてヤクザの事務所へ向かった。


「もう夜21時ごろか、入っていいのかな。」


おそるおそるインターホンを鳴らすと、強面の男が出てきた。


「あ?なんだクソガキ。おこちゃまはおねんねの時間だぜ。」

「取引をしたいんだ!」

「取引ィ?ガキだからってその言葉を聞いちゃただじゃ返さねえ。うちの組に取引なんかいうってことは いい代物なんだろうなぁ?」

「鬼の、死体です。」

「嘘なんかついちゃ駄目だぜコラ。殺されてえのか?」

「いや、その。」


嘘だと思われ、詰められていると、後ろから小柄な男が出てきた。


「ほぉん?面白い話が聞こえたなぁ。」

「っ!組長!」


まずい、どうやら偉い人らしい。これは本当に殺されるかもしれない。


「のうガキんちょ。ほんとなんだったらおじさんたち鬼の死体まで連れてってみい。」

「は、、はい!」


恐る恐る山を案内し、鬼の死体がある廃村までヤクザの人を連れてきた。


「こりゃ驚いたな、ほんとにあるじゃねえか。お前がやったんか?」

「こいつと、一緒に、。」

「ほぉん面白いガキと猫やなあ。お前雇ってやる。こんな感じで鬼殺したらまたうちに死体売ってくれ。これ今回の報酬な。」


5000円の入った封筒を渡された。


「く、組長!?こんなガキに、そんな。」

「あ?文句あんだったら絞めるぞ。」

「す、すみません、、。」

「じゃあなガキんちょ、また頼むぜ。」


それからコンビニでおにぎりと牛乳を買い、洞窟に帰った。ひさびさのコンビニ飯は絶品だった。


「やったなセキ!!!収入源を確保したぞ!」

「にゃあ!」

「なあセキ、僕にも戦い方教えてくれよ。」

「にゃん。」

「なんだよ今日は寝るのか?まあいいや、じゃあまた明日。おやすみ。」


いいのかダメなのかわからないまま、セキは寝てしまった。また鬼と会って、今日みたいにびびってたらせっかくの収入源も無駄になる。がんばらないといけない。また新たな生活が始まった。セキに会えて本当によかった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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