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パン屋開業します!え、いつもの食材たちが最強モンスター?なわけないっ(笑)  作者: もがみなち
まっくろパン ~黒トカゲのベーコンサンド~

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冒険者ギルドから呼び出される

大浴場を後にした星空会の四人は、冒険者ギルドの受付へと向かった。

まだ頬が赤く、どこかぼんやりとした表情の四人を見て、受付嬢が心配そうに声をかける。


「あら、星空会の皆さん。お疲れ様です。依頼の報告ですか?」


「あ、はい...森のはちみつ採取依頼の...」


ステラが書類を取り出す。


「無事にはちみつは採取できましたか?」


「それが...」


四人は顔を見合わせる。


「依頼品のはちみつは採取できました。でも、帰り道にキングベアーに遭遇してしまって...」


「キングベアー!? Bランクモンスターじゃないですか! それで皆さん無事だったんですか!?」


受付嬢が驚いて声を上げる。


「は、はい...何とか...」


ステラは視線を逸らした。

実際に「何とか」したのは自分たちではなくブレッドだ。


「採取したはちみつは無事です。こちらになります」


リリアが魔法袋から、琥珀色に輝くはちみつの瓶を取り出した。


「まあ、綺麗...こちらで確認させていただきますね」


受付嬢がはちみつを受け取る。

受付嬢が不思議そうに首を傾げる。


「あの...どうかなさいましたか?」


「い、いえ! 大丈夫です! とりあえず報告書だけ提出させてください」


ステラは慌てて書類を差し出した。


「かしこまりました。それでは...あ、ギルド長がお呼びです」


「...パパが?」


「はい。ステラさんが帰ってきたらすぐに執務室に来るようにとのことです」


ステラは嫌な予感がした。


◇◇◇


ギルド長室。

重厚な扉を開けた瞬間。


「ステラァァァァ!!」


「うわっ!?」


テラスタが執務机を飛び越え、娘に抱きついた。


「無事だったか! 怪我はないか! 数日もかかるクエストだって聞いて心配で心配で夜も眠れなかったぞ!」


「ちょ、パパ! 苦しい!」


「ああ、ステラ! お前のママとの約束だ。お前だけは絶対に守るって...!」


ギルド長室の威厳も何もあったものではない。

ただの娘を溺愛する父親の姿がそこにあった。


後ろで待っていたリリア、ノエル、アリアは顔を見合わせて苦笑いする。

ギルド長のこの一面は、もはや星空会のメンバーには馴染み深い光景だった。


「パパ、落ち着いて! ほら、こうして無事に帰ってきたから!」


「本当に...本当によかった...」


テラスタは娘を抱きしめたまま、涙ぐんでいた。


ステラは亡き母のことを思い出す。

五年前、母は病で他界した。

それ以来、テラスタはステラを守ることに必死だった。

時には過保護すぎるほどに。


「パパ、もう大丈夫だから。ね?」


「...ああ、すまん」


テラスタはようやく娘を離し、咳払いをした。


「取り乱してしまった」


「いつものことだよ、パパ」


ステラは苦笑いしながら、椅子に座った。


「それで、話って?」


テラスタの表情が真剣なものに変わった。


「キングベアーに遭遇したと聞いた、詳しく聞かせてくれないか」


ステラは観念して、森で起きたことを全て話し始めた。


はちみつ採取の帰り道、キングベアーに遭遇したこと。

追い詰められて、三人が瀕死の重傷を負ったこと。

謎の少女が現れて、キングベアーを一蹴りで倒したこと。

瀕死の三人がエリクサーで回復したこと。

そして、その少女がハジマーリ王国でパン屋を開業したばかりだということ。


「...パン屋、だと?」


テラスタは眉をひそめた。


「はい。ブレッドさんっていう、私と同じくらいの年の女の子で...」


「ブレッド...」


テラスタの表情が曇る。


「パパ、知ってるの?」


「いや、直接会ったことはない」


テラスタは深いため息をついた。


「だが先日、北の大樹海で黒龍が討伐されたのではないかと報告があった。

真偽を確かめるために上級冒険者を向かわせている。」


「「「「え!?」」」」


四人が同時に声を上げた。


「や、やっぱり黒龍だったんだ...」


ステラが呟く。


「時期的に、お前たちがあの少女と会った頃と一致する。」


テラスタは頭を抱えた。


「間違いない。あの少女が黒龍を討伐したんだ。」


「しかも本人は『黒オオトカゲ』だと思っているとお前は言ったな」


テラスタは頭を抱えた。


「その少女は...規格外だ。」


テラスタはステラを見つめた。


「近日中に、ブレッドという少女をギルドに呼び出す。正式な面談という形でな」


「...どういうこと?」


「ギルドとして、あの少女の実力を正確に把握する必要がある。」


テラスタはステラを見つめた。


「それに...父親としても、娘の命の恩人にきちんとお礼を言いたい」


◇◇◇


翌日、ギルドから一通の書簡が届いた。

書簡を受け取ったブレッドは、首を傾げた。

モブたちが心配そうに見守る中、ブレッドは書簡を読み返した。


「冒険者ギルドから呼び出し?なにかあったかな...?」


ブレッドは不安そうな表情を浮かべた。


「お土産に私が焼いたパン持っていこうかな!」


「「「姉御ッ! それはやめた方がッ!」」」

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