きらきらパン完成!
翌朝。
「おはようございますッ!」
モブたちが裏口から入ってくる。
「おはようございます、モブさんたち」
ブレッドは嬉しそうに出迎えた。
「パンの仕込みを始めます」
「あ、その前に見てもらいたいものがあるんです」
ブレッドは調理場から果物の袋を持ってきた。
「これ、新作パンの材料なんです」
袋を開けると、色とりどりの果物が輝いている。
「これは...見たことない果物ですねッ」
モブが目を丸くする。
「ミラクルベリーと、シャインフルーツと、シトラです」
「どこで手に入れたんですかッ?」
「昨日、森で出会ったドライアドさんからいただきました」
「「「ドライアド!?」」」
モブたちが驚いて声を上げる。
「それで、これを使って新作パンを作りたいんです!」
ブレッドは目を輝かせた。
「果物を生地に混ぜ込んで、丸パンにしようと思います」
「なるほど...それなら、フルーツパンみたいな感じですねッ」
「はい! 早速試作してみますね」
◇◇◇
ブレッドは果物をざく切りにして、パン生地に混ぜ込んでいく。
ミラクルベリーの鮮やかな赤。
シャインフルーツの金色。
シトラの爽やかな橙色。
色とりどりの果物が生地に混ざり、綺麗なマーブル模様になる。
「わぁ、綺麗...」
モブが感心する。
生地を丸く成形し、窯で焼く。
しばらくして。
「できました!」
ブレッドが窯からパンを取り出す。
表面に出ている果物がほのかに光ってい宝石のように輝いている。
「これは...すごいですねッ」
「きらきらしてますね!」
ブレッドは嬉しそうに笑った。
「完成です!」
ちょうどその時、店の扉が開いた。
「おはようございます!」
ステラが入ってくる。
「ステラさん!」
「新作パン見に来ちゃいました」
「ちょうど今、完成したところなんです」
ブレッドはきらきらパンを見せる。
「わぁ...光ってる...」
ステラが目を輝かせる。
「試食してもらえますか?」
「もちろんです!」
ステラはパンをちぎって口に運ぶ。
「...」
ステラの表情が微妙に曇る。
「ど、どうですか?」
「えっと...」
ステラは言葉に詰まった。
味は正直微妙だった。
焼き加減が甘く、生地のバランスも悪い。
だが。
「果物はすごく美味しいです」
「本当ですか!?」
「はい。」
ステラは嘘はついていない。
果物自体は本当に美味しい。
ただ、パン生地が...
「よかった!」
ブレッドは嬉しそうに笑った。
モブは複雑な表情でステラを見た。
(やはり...姉御のパンは...)
「姉御」
モブが口を開く。
「俺も、試作させてもらっていいですかッ?」
「え?」
「同じ材料で、俺も焼いてみたいんですッ」
「もちろんです!」
ブレッドは嬉しそうに頷いた。
◇◇◇
モブが同じ材料でパンを焼き上げた。
「できましたッ」
モブが窯からパンを取り出す。
見た目はブレッドが作ったものと変わらない。
表面の果物が綺麗に輝いている。
「ステラさん、こっちも試食してもらえますかッ?」
「はい」
ステラはモブのパンをちぎって口に運ぶ。
「...!」
ステラの表情が明るくなった。
「美味しい!」
「本当ですかッ?」
「はい! 果物の甘さと、パン生地がすごく合ってます!」
ステラは感動した表情で食べ続ける。
「これなら、絶対売れますよ!」
モブは安堵の表情を浮かべた。
だが、ブレッドは不思議そうに首を傾げる。
「モブさんが焼くと、そんなに美味しくなるんですね」
「い、いえ...そんなことは...」
モブは冷や汗を流した。
「それじゃあ、販売はモブさんにお願いしますね」
「かしこまりましたッ!」
◇◇◇
開店後。
きらきらパンは瞬く間に評判を呼んだ。
「これ、すごく美味しい!」
「果物が甘くて、パン生地もふわふわ!」
「見た目も綺麗!」
お客たちが次々と買っていく。
「きらきらパン、二つください!」
「私も三つ!」
「売り切れる前に買わないと!」
店は大盛況だった。
ブレッドは嬉しそうに接客している。
「ありがとうございます!」
モブたちも忙しそうにパンを焼き続ける
。
「次の焼き上がりまで、もう少しお待ちくださいッ!」
昼過ぎには、きらきらパンは完売した。
「売り切れです! ありがとうございました!」
お客たちは残念そうに帰っていく。
「また明日来ます!」
「次はもっと早く来なきゃ!」
店が落ち着いた後。
ブレッドはモブたちに深々と頭を下げた。
「モブさんたち、ありがとうございました!」
「いえいえ、こちらこそッ」
「きらきらパン、大成功ですね」
「はい!」
ブレッドは満面の笑みだった。
◇◇◇
夕方。
店の片付けをしていると裏口がノックされた。
「はい、どちら様ですか?」
ブレッドが扉を開けると、見知らぬ男性が立っていた。
「ブレッド殿ですね。薬師ギルドからの使いです」
「薬師ギルド?」
ブレッドは首を傾げる。
「ギルド長から、お呼び出しです」
男性は一通の封書を差し出した。
「明日、薬師ギルドまでお越しください」
「え?」
「詳しいことは、ギルドでお話しします」
男性は深々と頭を下げて、去っていった。
「薬師ギルド...?」
ブレッドは封書を見つめる。




