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記憶…
もし、あの船に乗らなかったら…
修道院から
離れた遠い故郷の島
故郷のフランス領の島に戻るはずだったのに
海賊に遭遇して、拐われた
従姉妹のジョゼフィーヌのようにフランスの軍人か商人の妻になっていただろう
懐かしいフランスの菓子マカロンを手に取る。
焼き菓子ガレットも…
◇ ◇ ◇
海を渡る船があった 航海の中で 甲板での遊びはボール投げだったり
トランプのカードゲーム ちょっとした散歩
甲板でちょっとした茶会もあったりする。それは楽しそうな笑い声も聞こえて来た
甲板の隅で籠に入った食料の鶏の声も…
「いい天気ね」エーメはジョゼフィーヌの家族たちの小さな肖像画を見た後で
手紙を手にする。
その後で甲板の椅子に座り、ミニテーブルに置かれた飲み物を口にした後で
本を手にしてのんびりとくつろいでいたのだが‥
岩陰から不審な大きな影が見えて、傍に寄って来る
大きな船の波音に加え、更には爆音をさせ大砲の音がした
「ええ?」慌てる船の客達
船員の声が響く「海賊船だああ!」「まさか‥」「この海域は安全だったのに!」
エーメは手にした本を落とした




