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沐浴中のナクシデイル
トプカプ宮殿…
エーメことナクシデイルは湯浴みをしていた。
「此処に来てから、本当に湯浴みの機会が増えたわ、それに蒸し風呂も心地よいわ」
チャポン、水の音をさせて、装飾のタイルを眺めてみる。
「以前は良く、薔薇の花びらを浮かべていたけど」
「後で香油も肌に塗るのね」
「ハセキ・スルタン、ナクシデイル様」
「何かしら?」
パシャンと水音をさせながら
声をかけられ、振り返るナクシデイル
「本日の皇帝陛下とのお食事のメニューですが…」
「そうね、まずは前菜はどうしましょう?」
「それから、イスケンラルケバブか
ナスと肉のバトゥルジヤゲケバブも良いかしら?」
「厶ール貝に詰めたリゾット、ドルマ」
「ビタパンに…パンに付ける
焼きナスのディップ、ディップはヨーグルト、ゴマのペーストにレモン汁も混ざったものね」
「壺に入ったケバブも良いかしらね?」
「ザクロの果実水、甘いキュナフル」
「チャイ…」
パシャンと水音
「それから、水パイプにダンスと音楽の準備も…」
「…今日は来て頂けるとは思うけど、日々、多忙でお忙しい方だから」軽くため息をつくナクシデイル




