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イクバル(愛妾)
「私が留守の間に 母上は貴方を皇帝に差し出したのですね」
悲哀を帯びた顔をして、セレム皇子が呟いた。
その言葉に何も言えずに 静かにエーメは小さく頷くだけ
「私はいつでも貴方の友人で味方です」優しくセレム皇子が言う
「あ、セレム様」ようやく声を出してナクシデルことエーメが呟いたのだった。
「皇帝陛下のイクバル(愛妾)の一人になりました」エーメ
セレム皇子はそっとエーメの頬や唇に軽いキスをする。
「どうか、エーメ私が貴方への想いを断ち切れない事を許してください」
エーメの瞳には涙が浮かんでいた。




