皇帝と…庭園のちょっとした茶会
トプカプ宮殿
皇帝との目通りをついには果たすエーメことナクシデイル
他の数人の娘達と共に挨拶に皇帝の前での歌を一曲 軽いダンスに
彼女の容姿に似合う衣装は勿論、踊りも楽器の演奏も完璧にこなして見せ
他の娘には眼もくれずに皇帝はエーメの姿ばかりを見ていた。
「随分と愛らしくも清楚な娘だ 異国の天使か妖精のようだ」
時の権力者で皇帝ハミト1世は満足そうに言う
「それは良かったですこと」
「ナクシデイル その踊りに演奏の褒美をやろう
姿も格別だが、本当に美しい声だ」
小さな金の小箱から取り出したのは 大きな青い宝石のついた金の腕輪だった
◇ ◇ ◇
奥にある庭園では‥寵姫たちが散歩を楽しみ
東屋で多数の甘い菓子
例えばひよこ豆、白ゴマ等のペーストで出来た甘くしたホンモス・タヒーネに
ロクサムにナツメヤシの菓子に蜂蜜の菓子、果実を使ったものも多い。
東洋と西洋、古くから伝わるアラブの菓子
さて、飲み物といえば
チャイ(ミルク紅茶)、ナツメヤシ茶に蜂蜜入りの薔薇水
トルコ・コーヒーにミントテイなどを飲んだりしていた。
「本日はとても良い天気ね」「そうねえ」仲の良い者達同士、集まって話が弾む。
そんな中で
皆はチラチラと特に可憐で美しい金の髪、青い瞳の娘エーメを見ていた。
「あの仏蘭西の娘は随分と綺麗に着飾っているわね」
「シリアンナ妃のお気に入りですもの 妃からのお仕着せ」
「作法や舞、とても熱心に教えているとか‥」
ヒソヒソと話している。
「皇帝陛下への床入りも近いじゃないかしら?」「そうよねえ」
小さな東屋が幾つもあって
シリアンナ妃と席を同じくして会話にお茶に
夢中なエーメ
時折交わす視線には‥シリアンナ妃の息子、皇子の一人でもあるセリㇺ皇子
密やかに淡い恋心が育まれていたのだが‥
エーメは皇帝への献上品なのである。




