世界終末
「これでやっとモバイル実験が出来るぞ」
屋場キノスはパソコンを打ちながら笑っていた。
「異世界の次元と人のデータもたくさん集まったし、いいねぇ」
そう呟いて研究所を出た。
『データ処理が不可能です。 データ処理が不可能です』
するとAIが警告を発するパソコンが熱くなり、爆発した。
中から泥が溢れ出し、建物を飲み込み始めた。
「なんだ?」
泥がとあるサラリーマンの目の前にくるとサラリーマンを飲み込んだ。
「きゃあ!?」
「た、助けてくれ!」
「お母さん。 お母さん!?」
泥は様々な人間を飲み込んで溶かした。
「な、なんだなんだこれ?」
パジャマに着替えたキノスはカーテンを開き、外を見てみると全てが泥で溢れ何もかもを飲み込んでいた。
「……これは僕のせいなのか?」
唖然としながらもキノスは住んでいたビルごと飲みこまれて死亡した。
それから二十四時間掛けて世界は終わりを告げた。
「させない!」
すると世界は黄金に輝いた。
銀の髪に黄金の瞳をした少女だった。
「……ああ。 世界がこんな風になってしまって」
少女は思わず涙を流した。
「フハハ、今更出てきても無駄だ。 女神よ」
すると泥の中からムザーが現れた。
「ムザー!」
女神は剣を抜刀し、泥を焼き斬るがすぐさま再生した。
「もう我はこの世界に用がなくなった。 次の異世界へ行くとしよう」
「させない! お前のような害悪を外に出して置けるものか!」
「無駄だ女神よ。 今の我は女神すら超越している!」
「な」
あっという間に泥が銀の女神を取り込んだ。
「わ…た…し」
「さらばだ世界よ」
こうして女神は並行世界に封印され邪悪は世界を旅する。