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閑話:ホワイト革命

 セレノスの酒場、『ルーイン・ゴート』。


 昼の喧騒がひと段落し、皿の上にはパンくずだけが残っていた。

 昼食を終えたケンタは、テーブルを指でトントンと叩きながら、タクヤを呼び出す。


 妙に真剣な顔だ。子どもサイズの丸い頬でそれをやるものだから、余計に“ただごとじゃない感”が出る。


「来てもらったのは他でもない……」


「ほっかいどーもなーい!」


 横から、なぜかハルトが胸を張って叫んだ。


 タクヤが一瞬だけ目を細める。

 この流れ、嫌な予感しかしない。


「……お返しのことなんだ……」


「おかーしのことなんだ!」


 ハルトが勢いよく言い切ると、隣のアキラがすかさず首をかしげた。


「お返しだろ……あれ? お菓子でもあってる?」


 タクヤは堪えきれず、ぷっと噴き出した。


「……お前ら、噛み合ってんのか噛み合ってないのか、どっちだよ」


 しかし、ケンタは真面目なまま、こくりとうなずく。


「お菓子のお返しか? 明日だもんな」


「うむ、ホワイトデーについて相談にのって欲しい」


 そう。一部を除いた男子たちは、バレンタインにもらったチョコのお返しに悩んでいたのだ。


「この世界、菓子作りも料理(クッキング)スキルがないと始まらないからな……」


 戦闘と直結しない料理スキルは、極めて上げにくいスキルでもある。

 戦闘で勝手に伸びるわけでもない。上げるには上げるで、材料と時間と地味な根気が要る。地味が山盛りだ。


 タクヤは腕を組み、ふっと息を吐いた。


「よし、まずは初期スキルクエストだ!」


「え? タクヤが作ってくれれば良いんだけど……」


「くれくれでよーいドンだ!」


 ハルトが謎の競技を開催した瞬間、タクヤは片眉を上げ、ため息まじりに告げた。


「チョコ貰ったんだろ? EOFじゃあれは命がけのブツだ。誠意見せなきゃ男じゃねーぞ?」


「ぼく、おとこー!」


 ハルトが両手を上げて宣言する。

 その隣で、ケンタが小さく、しかしちゃんと返事をした。


「……お、おう……」


 タクヤは口元だけで笑って、椅子の背に体重を預けた。

 酒場のざわめきが戻ってくる。ここから先は、もう引き返せない気配だけが漂っていた。


* * *


 男たちは、セレノス港近くにある酒場、『白鹿亭』にやってきた。

 跳ねる鹿の看板の下、店の中からは大げさな笑い声が漏れていた。ホラ話ばかりする常連が集まる、と噂の酒場だ。


 白いコック帽に、白いコックコート、白髪に白い髭を蓄えた太っちょの料理人が彼らを迎えた。

 胸にはミスリル銀のエンブレムが輝き、頭上には金色の『?』が浮いている。


―――――――――――――――――

【目玉焼きの納品】

依頼者:ミスリル・シェフ ホワイト

目的地:白鹿亭

依頼内容:

料理の基本は卵料理であ〜る!

まずは目玉焼きを焼き上げてみせよ。

サニーサイドアップでもターンオーバーでもよいのであ〜る。

制限時間:60分

難易度:★

報酬:料理レシピ『卵百珍』

―――――――――――――――――


「なんだ、簡単そうじゃんか」

 ケンタが胸を撫で下ろす。


「なんだか、かんたんじゃんけん!」

 ハルトがぐーを出す。


 アキラはクエストの文字を指でなぞるみたいに追ってから、顔を上げた。

「……目玉焼きって、卵を焼くだけでいいんだよね?」


「“だけ”をちゃんと出来ないといけねーんだぞ」

 タクヤがたしなめる。


 ケンタが不安げに瞬きをする。

「……でも卵さえあれば、なんとかなるだろ?」


「忘れたのかよ。卵の入手にあれだけ苦労したのを……」

 

 タクヤが頭を振りながら告げる。

 

「蛇狩り無間地獄の始まりだ……」


* * *


――EOFにはニワトリが実装されていない。

 しかし、卵の入手が不可能なわけではない。


 なぜか、蛇がニワトリの卵をドロップするのだ。


 プレイヤーたちは「蛇がニワトリから盗んだ卵を所有している」という認識でいる。

 なんにしろ、蛇を狩る以外に選択肢はない。


 幸い、セレノス正門前の初心者エリアが蛇狩りのおすすめスポットである。(パピ通調べ)


「スマイト!」


 ケンタが初級攻撃魔法で蛇を誘い、低レベル召喚メイスで殴る。

 トドメはアキラとハルトが担当だ。


 高レベルが低レベルのモンスターにトドメをさすと、ドロップテーブルが極端に渋くなるためだ。


「これだと先にレベル上げると生産スキルが上げ難いじゃん……」


 ケンタがぼやきながら、蛇に魔法を撃ち込む。


「そうなんだよな……」

 タクヤもしみじみうなずく。


「昔、サイゴードンのパッチノートにこの仕様が載った時はみんな悲鳴を上げてたぜ」


 子どもたちにとどめを任せても、ドロップ率は100匹に一個くらいであった。

 なんとか3個の卵を確保したところで、タクヤが気づく。


「デルフィーネさんにドロップ率アップの加護を貰えばよかったんじゃねーか?」


「その手があったか!」

 ケンタが手を打つ。


「そのてぶくろあったかい!」

 ハルトが真似して手をパチンと打つ。


「まあ、数揃ったし……今日はこれでいいだろ」


 ケンタは三個の卵を大事そうにカバンにしまう。


「そいつはどうかな……」


 タクヤは意味ありげに口許を緩めた。


* * *


「やれやれだぜ……」


 久しぶりに、タクヤが肩をすくめた。

 その声は呆れ半分、納得半分。


「うわわわっ! 焦げる! こびり付く!」


 ケンタは重いフライパンを握り締めたまま、火の上で右往左往していた。


 じゅう、と鳴る。

 鳴ったのは卵のはずなのに、出来上がったのは――


 黒い板状のなにか。


 しかも、板は板で、フライパンの底に貼り付いたまま、剥がれる気配がまるでない。


 ケンタがうめく。


「テフロン加工とかないのかよー」


 タクヤは、フライパンの中を一瞥し、淡々と言い放った。


「火星とはいえ、中世西洋風ファンタジーの世界観であるわけねーだろ」


 正論が冷たい。

 ケンタはフライパンを少し傾けてみるが、黒い板はびくともしない。まるでフライパンの一部である。


 タクヤは、さらに追い打ちをかけるように告げた。


「スキル上げの素材は必要数の十倍は用意しとけ!」


「うう、仕方ない、今度は神殿に寄って加護を貰おう……」


 ケンタは微妙な顔をした。


「俺、あの人苦手なんだよなー」


* * *


 案の定、デルフィーネは甘々のベタベタだった。

 まるで溶けかけた綿菓子だ。


「あら〜! 私の坊やたち、いらっしゃーい♪」


 神殿の奥から弾む声が飛んでくるなり、デルフィーネは迷いなく近づいてきた。

 まずアキラの頭に手を置いて、撫でるというより確認するようにわしゃわしゃ。次いでハルトを抱き上げる。ハルトの足がぶらん、と宙に浮いた。


 そのままケンタにも向き直ったが、両手が塞がっている。

 少し考えた末、頬を寄せてすりすりと擦り付けてきた。


 ケンタは反射で固まった。


「今日がどうしたの? 神託? 祈祷? それとも、エスコート依頼かしら?」


「いや、幸運の加護だけ貰えれば……」


「幸運? 何に必要なの?」


「その……お菓子を作るのにいるんだ」


「お菓子! セレネ様も最近お菓子ばかりお告げになるのよ……どんなお菓子?」


 ケンタはそこで言葉に詰まった。

 決めていない。


「ホワイトチョコレートとかかな? 白いし」


「ケンタ、それはベタすぎだよ思うよ」


 アキラの指摘が、淡々としているのに容赦がない。

 ケンタは目を丸くして、すぐ次を探した。


「じゃあ、マシュマロかな? 白いし」


「それはやめとけ。意味が悪い」


 タクヤの制止は早かった。


「お菓子に意味なんてあんの?」


「すぐ溶けてなくなるから、お付き合いお断りって意味らしいぜ」


「おつきさまおことわり!」


 抱き上げられたまま、ハルトが元気よく叫ぶ。


「……お月様お断りは悲しいですわね」


 デルフィーネが胸の三日月の紋章に手を当てて、苦笑した。


「……でもお菓子なんて、みんな食べたらすぐなくなんじゃん」


 ケンタが納得のいかない顔でつぶやく。


「ケンタ! キャンディがいいよ。一時間持つよ」


 アキラが勢いよく手を上げた。


「呼び捨て?!」


 同じくらいの見た目なので、違和感があるのはケンタだけだ。


「おチビちゃんたち仲良しでちゅねー」


 デルフィーネは嬉しそうに、ケンタとアキラの頭をそれぞれ撫でた。

 その手が止まらない。すっかりデレフィーネモードだ。


「となると白いキャンディを探さないとな」


「別に白くなくていいんだよ……」

 タクヤが呆れ声で指摘する。


「え! マジで? ホワイトデーなのに?」


「最初はマシュマロデーだったんだよ。でも今はクッキーやチョコもありになってる」(※諸説あります)


「じゃあ、マシュマロでいいんじゃん! 白いし」


「そういわれると、不思議だな……」


「それわれると、ふたつだねー」


「まぁ、この子天才だわ!」


 デルフィーネは即座にハルトの頭をなで、満足げに笑った。

 デレフィーネが止まらない――。


* * *


 ケンタたちはセレノス門前のゾーンに戻ると、蛇狩りを再開した。

 なぜかデルフィーネも付いてきて、ニコニコと見守っている。


 神殿で見せたあの甘い圧そのまま、完全にピクニック気分だ。

 ケンタが振り返るたび、三日月の紋章の盾の向こうから、にこっ、と笑顔が飛んでくる。


「……なんで付いてくるんだよ……」


 と口に出す勇気はなかった。


* * *


 ――そして、セレノス門前の蛇が絶滅した。


「蛇が枯れちまったな……」


 タクヤが乾いた声でつぶやく。


 EOFでは通常、ゾーンに出現するモンスターの数は一定に保たれている。

 そのため、同じ種類のモンスターばかり狙うと、その種類のモンスターの数が減っていく。


 蛇ばかり狙うと、蛇の枠が虫やネズミに入れ替わっていくためだ。


 門前の地面を這っていた影は消え、代わりに、ちょろちょろと小さな影が増えた。

 羽音。足音。カサカサという避けていた響き。


「仕方ない、虫やネズミも掃除しよう」


 蛇の枯渇を解消するためには、他のモンスターも倒して、蛇が出現する枠を空けなければならない。


 そして、ゾーンのモンスターを一掃するということは、レアモンスターの出現率も上がるのであった。


 セレノス門前ゾーンのレアモンスターは、つがいの巨大昆虫――セレノス・サンダー・ビートル。


 雷光を帯びたその姿が、門から伸びた街道の先に現れた。


「やば、キングとクイーンだ……」

 タクヤが嫌そうにつぶやく。


 あの虫はガードも手こずる麻痺攻撃使いなのだ。

 夫婦セットでどんな技を使うかもわからない。


「わー! でっかいむしさーん」


 ハルトが無邪気に駆け寄る。


「あ! 待てハルト!」


 バチバチバチッ!


 黄色い稲妻が走り、ハルトが麻痺する。


「う、うごけないよー」


「鈍足化!」「鈍足化!」


 タクヤが慌てて、虫たちにデバフを入れてヘイトを取ろうとする。


「ホーリー・スマイト!」


 ケンタが攻撃魔法を当てて、クイーンの向きを変えることに成功したが、キングの突進が止まらない。


「わー! でっかいつのー! でかつのー!」


 当のハルトは無邪気に観察中だ。


「危機感ねーな、おい」


 タクヤはぼやきつつ、デバフを追加する。


「鈍重化!」「鈍重化!」

「毒霧!」「毒霧!」


「ち、こっちに興味なしかよ……」


 速度が鈍ってはいるが、キングは真っ直ぐにハルトに向かっている。


「我らが永遠の守護神セレネ・エテルナの名を以って命じます! お逝きなさい!」


 デルフィーネさんが三日月の紋章の盾を押し出して前に出る。


「月下転生!」


 天上からの白い光がキングを打つ。

 弾き飛ばされるキング。ひっくり返って、ジタバタもがくが起き上がれない。


「トドメだー! 正射必中!」

(※言ってるだけです)


 アキラがショートソードを打ち下ろすと、キングは光の粒となって消えていった。


「ふー、助かったぜ……」


 一方、ケンタはクイーンに追われて、辺りをグルグル走り回っていた。


「こっちも、なんとかして〜〜!」


 ケンタの白いローブが白旗のようにバタバタはためいていた。


* * *


 なんとかクイーンも倒した男たちは、蛇狩りを再開する。


 さっきまで雷光が走っていた門前が、何事もなかったみたいに静かだ。

 ――静かだからこそ、蛇の気配が恋しい。


「パーフェクト・フォーチュン!」


 デルフィーネさんの幸運魔法が、蛇の死体に炸裂する。

 金色のきらめきが、妙に勢いよく散った。勢いがよすぎる。


 ケンタが屈んでドロップを拾い上げ、手の中の表示を見た瞬間、目を丸くした。


「Toonモードじゃないのに……なんだこれ?」


 そこに浮かんでいたのは――


『新鮮たまご(12個パック)』


「え、まとまって……?」


 言葉が追いつかない。

 さっきまでの“百匹に一個”が、いま目の前でまとめ買いになっている。


「たまご革命だな。まー、楽でいいじゃねえか。業務用ダンボールパックもでねーかな?」


 タクヤも苦笑しつつ、でも狩りの手は止めない。

 蛇を倒す。拾う。表示を見る。――またパック。


 瞬く間に、たまごパックが積み上がる。

 積み上がり方が、もはや採集ではなく搬入だ。


「よし、これだけあれば十分だろ」


 男たちは、大量のたまごパックを慎重に抱えてホワイトさんの厨房に戻るのだった。


* * *


 ようやく男たちは、まともな目玉焼きを焼き上げる。


 うずたかく積み上がった黒い板は、なかった事にして……。


「よし! 完璧だ! デプロイ可能だ!」


「オフロきらいだ!」


 ――提出。


 ホワイトシェフは試食をすると、満足げにうなずく。

 頭上には、クエスト完了の『!』マークが点灯する。


 報酬を貰うと、次の料理訓練クエストが提示される。


【スクランブルエッグ】


 混ぜて焼いて、提出。『!』


【茶碗蒸し】


 蒸して、提出。『!』


【だし巻き卵】


 巻……けない!?

「こびりついて巻けないし……」


「油、敷けっつーの」


 なんとか提出。

 ホワイトシェフは生暖かい眼差しで、うなずいた。『!』


(お情けで合格か……くっ)


【オムレツ】……


 焼いて、提出。『!』


 卵が形を変えるたび、ホワイトシェフはうなずき続けた。


「卵料理クエスト……いくつあんの?」


「まあ、スキル値30超えたろうから、もういいだろ」


 腕組みを解いてタクヤが改めて問う。


「で、本命のお菓子は何を作る?」


「高級そうだしマカロンとか? 白いの」


「却下! スキル200あっても無理だぞ」


「じゃあ、やっぱりキャンディ? 白いの?」


「白くなくてもいいってんだろ……」

 タクヤは苦笑しつつ告げる。

「実は飴も難しい。気泡が入ると口の中が、傷だらけになんぞ」


「じゃあ、どうすればいいんだよー」

 ケンタは口を尖らせる。


「クッキーだな、ちゃんと計って、混ぜて焼けばそこそこ成功する」


「白くないじゃん」

 不満そうなケンタ。


「アイシングすれば白くできるさ」


 ようやく作るものが決まった。


『ホワイト・アイシング・クッキー』

 ――気高き純白の焼菓子。


* * *


【バター】

常温。


【砂糖と塩】

加える。混ぜる。


【卵】

半分加える。混ぜる。

残りも加える。混ぜる。


【薄力粉】

加える。混ぜる。


【生地】

休ませる。

 

「なんか、プログラミングみたいだな……」


 レシピを見て、日本語BASICを思い出す。


「しかし、混ぜてばっかだな……頭が無限ループしそうだ」


 ケンタはグルグル手を動かしながら、ぶつぶつ言った。


 混ぜる。混ぜる。混ぜ合わせる。


 やがて、生地を型で抜いてオーブンに投入。


 ――焼成。


「その間にアイシング作成だ」

 割った殻を使って器用に卵黄と卵白を分けるタクヤ。


「お菓子も結構、卵を使うんだな」

 見よう見まねで悪戦苦闘するケンタ。


「数揃えておいてよかっただろ?」


【卵白】

ほぐす。


【粉砂糖】

半分加える。混ぜる。

残りも加える。混ぜる。


【レモン汁】

加える。


 混ぜる。混ぜる。ツヤがでるまで、混ぜる。


「で、出来たぞ……はぁはぁ……」


 ケンタの報告にうなずいて、オーブンをチェックするタクヤ。


「やばっ、火力強すぎたか……少し焦げたかも」


「「ななな、なんだって〜!」」


 がっくりするケンタとアキラ。


 見ると鉄板の上のクッキーは色が濃い。

 一部は、黒い粒々が表面を覆っている。

 生地にムラがあったようだ。


「まー、白いアイシングすれば隠せるぜ」

 タクヤがリカバー方法を提案すると……。


「それは本当の白じゃない……」


 ケンタは頭を振って宣言した。


「俺たちが作るのは”気高き純白“のクッキーだ!」


「……そうだな」

 タクヤもうなずく。


「よーし、最初からリビルドだ!」


「ビリビリだ!」


「ハルト、まだ痺れてる?」


 皆が笑うと、ハルトは照れたように舌を出した。


 そうして男たちは再び、粉と格闘を始めるのであった。


* * *


「わー、ありがとう!」


 結は両手で受け取ると、ぱっと顔を明るくした。

 包みを膝の上に置き、丁寧にラッピングをほどいていく。


 ふわり、と甘い匂い。


 中から出てきたのは、真っ白な砂糖掛けのクッキーたちだった。

 ――そして、ひとつだけ。


 ピンクで♡が描いてある。


「わわわ――か、かわいい……ね」


 結はちょっとだけ頬を染めると、その♡を迷わずつまみ上げ、口に放り込んだ。


 もぐ。


「うん、ビビっと美味しいよ!」


 そして、とびっきりの笑顔を見せてくれる。


「そいつはよかった……」


 ケンタもにこやかに笑い返した――が。


(ハートなんて描いた覚えないぞ?)


 そっと後ろを振り向く。


 タクヤとアキラ、そしてハルトまでもが、腕組みをしてにやけていた。


(おわり)




――閑話:ホワイト革命 あとがき

 

 最後まで読んでくれて、ありがとな。

 保護者枠のタクヤだ。


 次回は本編を来週火曜日のお昼頃に投稿予定だぜ。

 ようやく、あの弓の爺さんが出てくるらしい。

 そっちも読んでくれると嬉しい。


 もし少しでも楽しめたなら、ブクマや★をポチっとしてくれると助かるぜ。


 それにしても……子守りは大変だった。

 ケンタも含めてな。白だの純白だの、うるせーのなんの。

 ……やれやれだぜ。


 ……ん? 今、後ろに隠したのが何かって?

 ただのラズベリーだよ。俺のおやつだ。

 ……ベ、別に色付けに使う用じゃねーぜ。


――タクヤ

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