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リュース 本選で戸惑う-2

カイタを軽くブラッシングして、銀杏色の胴輪を付ける。

カイタは嫌がらずに前足を交互にあげる。


本当にカイタは人間の考えを汲むのが本当に上手い。勘が鋭いというより、求められている立ち居振る舞いを人間のように素早く判断している感じがする。何より落ち着きがある。人間と常に関わる召喚獣に最適の性格だ。体格が小さめなので、大型獣との力比べになると部が悪い。でも、そういう職場を私が選ばなければ良いから、これからの仕事の支障にはならない。

カイタの爪をチェックする。後脚左右の第ニ肢と第三肢をヤスリで削る。カイタは鼻を前方に向けたまま動かない。銀鼠色の背中が美しい。自然は本当に不思議だ。たくさんの進化を経て獲得した特徴や能力は、結果の集合だけのはずなのに、あらかじめデザインされたかのように調和が取れているように感じる。はるか古代の人間が「神が生み出した」と考えても全然おかしくはない。


カイタに紺色の頭巾を着せる。首筋のバックルを締め、緩みがないか確認する。カイタのツノはそれほど鋭くはないけど、威圧感はあるので隠した方が良い。

旅行カバンにカイタのブラシとやすりを詰める。カイタのクレートにいつものタオルとカバンをしまう。車輪付きのクレートは片手で引けるので本当に楽だ。

お財布、切符、タオル、飴玉、アトマイザー、網、干し芋、水筒、ナイフをポーチに入れる。

窓の鍵を確認する。


「よし、おでかけしよう。カイタマル。」

カイタの手綱を握り、軽く引く。

カイタはスっと腰を上げ、私の歩みに合わせるように歩く。


カイタは本当に頭がいい。私の緊張を読み取って落ち着いて行こうと言っているようだ。


カイタの腰をぽんとさすり、自宅のドアを開け,本選会場へ向けて歩きだした

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