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恋文  作者: yukko
13/20

そして、当日

朝から何となく何もやる気が起きない。

理由は、あの菓子箱の手紙を読んで貰う日だからだ。

息子と娘が来るのは10時だ。

それまでに掃除など家事をしないといけないのに、やる気が起きない。


「もう、いいかぁ~。このままで。

 お昼ご飯は、どうしよう?

 食べるのかな? あの子達……。

 食べるんなら、何か作って……。

 取り敢えず、買い物に行こうかしら。」


近くのスーパーに行く前に、宅急便で夫の弟から贈られてきた。

開けて見ると、それは「鱧」だった。

京都に住んでいる義弟から夏になると毎年贈られてくる物だった。

「鱧」を京都では夏に頂く物らしい。

昔の京都で新鮮な海の魚を頂くことは難しくて、交通手段が発達していなかったから、生きたまま盆地である京都へ輸送できる魚は、生命力が強い「鱧」だけだったかららしい。

「鱧」の生命力にあやかって暑い夏を乗り切ろうと食したのかなぁ?

「鱧」を贈ってくれた義弟にLINEでメッセージを送った。


「今年も鱧を送ってくれてありがとうございました。

 子ども達と一緒に頂きます。

 それから、夫の葬儀の際は遠いのに来てくださって本当にありがとうございまし

 た。

 ちゃんとお礼も出来ないままでした。

 本当にごめんなさい。それから、ありがとう。」


返信のメッセージはその日の夜に届いた。


「お義姉さん、身体は大丈夫ですか?

 無理しないでくださいね。

 それから、自分の兄の葬儀です。

 遠くても行きますよ。

 そんなことにまで気を使わないでください。

 家内も僕もお義姉さんのことを心配しています。

 どうか心も身体も休めてください。

 兄が亡くなっても今まで通りの付き合いでお願いしますね。

 では、くれぐれもご自愛ください。」


優しい義弟夫婦で本当に私は恵まれていると思う。

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