親と子の距離
あと1日。
……ということは、もう息子が来る。
今までは、あの菓子箱に対するモヤモヤした気持ちだけだったのに、今はその気持ちに加えて、嫁に何と思われるかという不安も混ざっている。
嫁と姑が上手くいく方法など一つだと思っていた。
【別居をして、会わないようにする。】
それだけで、充分だと思っていた。
【頼らない。】は当然のこと【会わないようにする】に入っていた。
でも、今回、結果的に頼ってしまった。
でも……頼らないって、どこから? どこまで?
それ自体が分からない。
舅と姑の時は、どうだったのだろうか?と思い出す。
舅も姑も、息子である夫には何かと相談していた。
実子には頼るけれども、嫁には頼らないというスタンスだった。
私が役所やケアマネージャー、それから施設を探す手伝いをしたのは、夫に頼まれたからだった。
夫も夫の弟も仕事で動けない時に、私か、夫の弟の妻が代行していた。
舅と姑が頼ったのは、入退院の時、施設への入居の時、それらの契約の時etc.
日常の介護は、公的なサービスだった。
私もそのつもりでいる。
このくらいは頼ることを許されると思っている。
でも、今回は違った。
あの菓子箱の中の手紙を読んで貰うこと……つまらないことで呼びだしている。
「これは……たぶん……駄目なやつ?だろうなぁ……。
恵も嫌だったのかなぁ~? 嫌だったから晴貴に連絡したのかなぁ~?
恵に頼りすぎたのよね。これから、気をつけないといけないわ。」
義両親の賢さに頭が下がるばかりだった。