モイラ編02-04『冒険者ギルド』
ーーー『私には見えないものしか観えません。』
side サト
私は主様の忠実なる二の臣、覚です。
どうぞお見知り置きを。
主様とサトは今デート中ではありますが、商業区画から冒険者ギルドまでは少しばかり距離があります。
ですが少々遠いことなど些事に過ぎません。
右手から伝わる優しい熱が永遠に続けばいい、そう願うばかりです。
ですが、お邪魔虫はいただけません。
「では、俺の種族が『妖人』なのは登録上問題ないんだな?」
「はい。ギルドの登録装置では『人族』と表示されるよう調整されています。」
数日の付き合いではありますが、姿の見えないこの女は主様によく尽くしているようです。
「例えば覚の種族はどうなるんだ?」
「覚様は『陰妖族』と登録されています。」
「冒険者登録はできそうにないな。」
「残念ながら。」
主様にもっと私の話題を振りなさい。
「まあ、必要なら俺一人登録すればそれで事足りるか。商取引許可証が手に入った今、遺骸の販売ぐらいでしか用途はないしな。」
「マスターのお好きなように。」
「だが、そうだな。冒険者ランクを極めるという人生もあるのか。尤も、それで行動制限されるようでは敵わんが。」
「高ランクに上げるのはマスターにとっては足枷になりかねませんからね。」
主様が冒険者とやらの頂点に立つ。
そんな想像をしてみる。
よくわかりませんね。
いつでも主様は我々妖の頂点ですから。
「主様が冒険者の頂点になるとどうなるのでしょう?」
「がはは、この小僧が冒険者の頂点?笑わせんじゃーねーぞ?」
「面倒毎に絡まれることが多くなるんじゃないか?」
「なるほど、どこの世界にも分際を弁えぬクソ虫が沸くものですからね。」
「おい、テメーら、無視してんじゃねーぞ。誰がクソ虫だ。」
「そういえば座敷童子が言っていたが、こういうのは『テンプレ』って言うらしいぞ。」
「テンプレが何かはわかりませんが、ご不快でしょうし始末してもよろしいですか?」
「んなめやがって!ぶっ殺してやっ」ゴッ。
「いや、隠蔽できないところでは駄目だ。」
「そこは現世と変わらないのですね。放っておけば誰かが掃除してくれればよいのですが。」
「門番の衛兵は優秀そうだから勝手に回収してくれるだろう。」
「おい、お前らわざと言ってんだろ・・・昨日入ってきたばっかで何やってんだよ・・・」
「おっと、先日世話になった門番殿じゃないか。」
「まぁ、絡まれたとこから見てたから状況は把握してるが。今の何やったんだ?」
「顎を撃ち抜いただけだ。からっぽだと効かないはずなんだがな。一応、中身は入っているらしい。」
「ふーん、よくわからんがうまいこと気絶させれんだな。事情聴取は見逃してやるが、念のため宿を教えてくれ。何かあったら話を聞かせてもらうこともあるからな。」
「あんたが教えてくれた『女神の泉』に宿泊している。だがいつまでこの町にいるのかはわからん。
ああ、教えてくれた食事処には両方とも行ってみたが実に旨かった。改めて礼を言う。」
「オーライ、オーライ。くれぐれもやり過ぎるなよ?」
「善処する。」
「ま、悪さしなきゃなんでもいいわ。それじゃな。もう会わないことを祈ってるよ。」
門番殿は文字通りの意味で悪漢を引き摺って立ち去りました。
なるほど、主様にご迷惑をお掛けしないあたりは確かに優秀ですね。
「ところで今のは冒険者だったのでしょうか?」
「さあな。もう会うこともないだろうし、どうでもいいだろう。」
「確かに記憶の無駄遣いですね。忘れます。
そんなことよりも手を繋ぐべきだとサトは思います。」
「そうだな。再度お手を拝借します、お嬢様。」
サトは果報者にございます。
ですがなぜ幸せな時間はこんなにも早く過ぎるのでしょうか。
私は哲学を学ぶ必要があるのかもしれませんが、それは今ではありません。
まずは目の前にある『冒険者ギルド』に集中しましょう。
「行くぞ。」
「はい。」
冒険者ギルドの門を潜ると様々な気配に晒されます。
無関心、好奇心、嫉妬心?、値踏などなど、この手の感情には慣れたものです。
悪意と情欲が少ないのが救いでしょう。
『テンプレ』とやらの二番煎じはありそうにないですね。
面倒が少なくて結構です。
「忙しいところをすまない。話を聞きたいんだがいいか?」
「はい、どういったご用件でしょうか。」
受付カウンターの向こうには美形の若い女性ばかりが座っています。
やはり冒険者というものは男社会なのでしょう。
マスターに媚びる様子を見せない点は評価に値しますが。
所作も悪くないですし、きちんと教育されているのでしょう。
勿論、私ほどではありませんが。
「冒険者にならないと魔物の買取はやってもらえないのか?」
「はい。規則でそのようになっております。」
「本来ここで聞くことではないのかもしれんが、迷惑でなければ教えてほしい。
一般的に魔物の買取は冒険者ギルドの独占という認識であっているか?」
「表向きには冒険者ギルド以外での買取は禁止されております。」
「なるほど表向きにはね。」
主様が小考していると、奥から別の女性が現れて受付嬢なにやら耳打ちをしています。
悪意は感じられないので悪いことではないでしょう。
ですが、念のため警戒レベルを一つ上げましょう。
(百々目鬼、マスターと私のデートに協力しなさい。)
(断る。)
(今は冒険者ギルドにいますが、万一に備えて目を飛ばしなさい。)
(私は、いつでも、主様、見てる。)
(何てうらやま・・・念のため数を増やしなさい。)
(半分、送る。先制、許可は?)
(そこまでの緊急性はないでしょう。ですが、万一の際は貴女の判断で無力化しなさい。)
(あい、まむ。)
「お客様、当ギルドのギルドマスターが話をしたいと申しております。差し支えなければ別室までご足労いただけますか?」
「ああ、構わない。」
ギルドマスターとやらに主様の御威光が届いてしまった、と考えるのはさすがにないでしょう。
何らかの形で探知された?
正直なところ私はあまり荒事には向いていないのですが。
やむを得ません、荒事要員を手配しましょう。
(村雨、万一に備えて冒険者ギルド付近に待機しなさい。)
(ん?何があったのじゃ。)
(今のところは何もありません。あなた一人では迷子になりかねないので他の者に引率してもらうように。念のため、手を繋いで貰いなさい。)
(はぁ?妾が迷子などありえんのじゃ。)
(戯れ言は結構です。)
村雨に頼るのは本意ではありませんが、主様の安全には変えられません。
やはり護衛向きの妖が不足していますね。
後程、主様に進言しましょう。
(レミィさん、念のため村雨を手配しました。そちらでなにか関知した際は私と百々目鬼と村雨に連絡してください。)
[こちらレミィ、承知しました。今のところ不審な動きはありません。]
私と百々目鬼、それからレミィの警戒を掻い潜って不意討ちされる可能性は低いでしょう。
ですが相手の底が知れない以上、やり過ぎということはありません。
となると、あとは交渉次第ですが。
(主様、こちらでの交渉はサトにお任せ下さい。)
(うん?何か感じたのか?)
(勘の域を出ませんが、主様の安全のためお許しください。)
(俺の従者は皆、過保護に過ぎるな。まあいい、全面的にサトに委任する。)
(御意にございます。)
主様はさりげなく結界を展開しました。いつものことながら驚嘆すべき技量です。
ああ、サトの全身は今、主様に包まれています。
こんな状況でなければ頬が弛んでしまうことでしょう。
ですがそのような無様を主様にお見せする訳には参りません。
結界をいただく瞬間はそういう意味で非常に危険です。
「受付のサミーです。お客様をお連れしました。」
受付嬢が最奥の扉にノックしました。
部屋内の正面にはあまり強そうではない壮年の男性が一人座っています。
魔法師ではなさそうですね。
ギルドマスターに強さは関係ないということでしょうか。
そしてその後ろにはそれなりに強そうな大柄の男性が一人立っています。
小天狗ほどの実力でしょうか。
それから屋根裏に一人と姿見の裏に一人。
おそらく隠し戸でしょう。
(主様、屋根裏1、姿見1です。)
(警戒しよう。)
主様は話が早くて助かります。
扉の外から室内の状況を解析していると、部屋の主と思われる者の返事が聞こえます。
「入室していただきなさい。」
観音開きの扉が開き、室内が露になりました。
尤も、私には見えませんが。
仕掛けてくるならこの瞬間が最も危険と考えていましたが、杞憂に終わって何よりです。
それにしても百々目鬼の隠行は相変わらず見事なものですね。
部屋内に『目』を潜伏させているはずですが。
大抵のものは看破できると自負しておりますが、自信が無くなってしまいます。
「失礼する。」
部屋に入るのは主様と私だけのようです。
受付嬢は丁寧にお辞儀をして立ち去りました。
「突然呼び立てて済まないね。
私はアイリスの町の冒険者ギルドを預かっているヨーゼフだ。
まずはそちらに掛けてくれ。」
主様は声を発することなくヨーゼフの正面に腰掛けました。
私は主様の右後ろに立ちます。
真後ろでは万一の時に間に合いませんから。
「我が主に代わりお答えさせていただきます。
わたくしはサトと申します。お見知りおきを。」
「なるほど、貴女の主殿は貴族なのかな?」
「いいえ、我が国に貴族制度はございません。」
私の答えにヨーゼフは不思議そうにしています。
貴族制度のない国は珍しい、あるいは『モイラ』には存在しないのかもしれません。
それにしてもこの男、感情が恐怖に振り切れていますが、声色にそれを悟らせない胆力は見事なものです。
何かしらの特殊能力がありそうですね。
「よければどちらの国か伺っても?」
「『裏関東』と申します。」
「ウラカントウ・・・聞いたことがないな。」
それはそうでしょう。寧ろ知っていたら驚きの余りメメの瞳が全部飛び出してしまいかねません。
ともあれ、こちらからフォローする必要を感じませんの沈黙します。
「ジョセフは聞いたことがあるか?」
「ないな。」
後ろの男ジョセフのピリピリとした警戒が伝わってきます。
腕はともかく、護衛としては二流ですね。
「そちらの衣装を見るに異国出身なのは想像していたが、まあいい。
よかったら飲んでくれ。」
先程案内してくれた受付嬢がお茶を入れてくれたようです。
私は口をつけることはできませんが、さすがはご主人様です。
躊躇いなく口にして頷いています。
まあ、毒は無効化されると伺っているので安心ではありますが。
「世間話はそちらも望まないだろうから、早速本題だ。
ここに来た用件を伺いたい。」
「それは冒険者ギルドへ、という意味でよろしいでしょうか。」
「結構だ。」
「目的は見学と質問でございます。
すでに回答を得ておりますので、用件は済んでおります。」
「登録はしないのか?」
「はい。」
もしかしたら魔物をさばくために登録することもあるかもしれない。
ですが今ここで登録する必要もありません。
ここは無関心を装うべきでしょう。
「はぁ、正直に言わないと交渉のしようもないか。
詳しくは言えないが、俺は直感系の上位異能を持っている。
そいつが君達がギルドに入った瞬間に猛烈な警鐘を鳴らしてね。
これを見て欲しい。」
ヨーゼフが両手の手の平を開くと、ぐっしょりと汗で塗れていた。
「この通り、俺は君達が恐ろしくて仕方がない。正直なところ意識が飛びそうなぐらいにね。
これほどの恐怖はかつて竜種を目の当たりにして以来だ。
S級冒険者相手でもこうはならない。」
竜という言葉に主様がほんの少し反応しました。
きっと主様の中の男の子が騒いでいるのでしょう。
主様の興味を満たすためにも詳しく伺いたいのですが、残念ながら今は叶いません。
不甲斐ないサトをお許しください。
「まず、これだけは確認しておきたい。
ギルドへの敵対の意思はないと考えていいか?」
考えるのは自由なのでどうぞお好きに、というのは意地悪にすぎるでしょうか。
ヨーゼフは今のところは白旗状態なので苛める必要もありませんが。
ここは主様流のお答えを返しましょう。
「今のところその予定はございません。」
主様が舐められるようなことがあってはなりません。
あなた方次第ですよ、という意思ぐらいは見せておくべきでしょう。
「今のところ、ね。
その言葉を信じたいところだ。
よければ登録をしない理由を聞いても?」
「主様は行動が制限されることをお嫌いです。」
「制限というと町が魔物に襲われた際に発生する『緊急依頼』のことか?」
「いえ、そちらの必要性は理解しております。
高ランクになった際に拒否権のない『指名依頼』のほうですね。」
「本来であればなってから言えと鼻で笑うところなんだがな。
君達ならその資格がありそうだ。
仮にだが『指名依頼』の拒否権を認めるとしたらどうだ?」
おや、これは私の裁量を越えてしまいますね。
(主様。)
(条件に契約内容を正式な書面に残すことを伝えてくれ。)
主様のご意向は賜りました。
あとは私の仕事です。
「それは必須条件として望むところです。
ですが主様が冒険者になることに利がございますか?」
「利か。
そうだな、高ランクになればいくつか特権がついてくる。
まず税金面の優遇と下級貴族程度の特権だな。
あとは国境や門を越えたりといった様々な手続きが簡易化される。
それから『禁止区域』や『ダンジョン』への立ち入りが認められる。」
ここで再度、主様が僅かに興味を示しました。
私はすかさずその興味を満たすべく質問を重ねます。
「『禁止区域』と『ダンジョン』というのはどういったものでしょう。」
「『ダンジョン』とは魔物が蔓延りお宝や罠が散在する地下迷宮の総称だ。
最下層を守護する『迷宮の主』を討伐し、お宝を持ち帰るのが最大の目的となる。
一攫千金を夢見る冒険者にとっては『迷宮探索者』と呼ばれるダンジョンに潜ることを専門とする冒険者は花形の一つだ。
そして『禁止区域』は『ダンジョン』の一種だ。
大陸中央にある超大型の迷宮で、その立ち入りは厳しく制限されている。
多くの高ランク冒険者が攻略中の超大型かつ最高難易度のダンジョンだな。
一般的に言うダンジョンとは色々な意味で一線を画している。」
明らかに主様が興味を示されています。
「高ランクというのはBランク以降を示すのでしたか。
Bランク以降であれば全てのダンジョンと『禁止区域』への立ち入りが認められますか?」
「いや、全てとはいかない。
だがそこに関しても色々と融通をさせてもらおう。
とはいえさすがにBランクになってからの話だが。」
「仮に冒険者登録をした場合、初期ランクはどうなりますか?」
「通常だとFかEの低ランクからのスタートとなるが、君達はもう少し上からにしたいと考えている。
こちら側としても突出した強者を低ランクで遊ばせるのは機会損失でしかないからな。
だが、どちらにせよこの話は俺の一存だけで決められなくてな。
受けてもらえるなら、俺の推薦という形で『領都』で手続きをしてもらうことになる。
そこで『特例試験』をパスすればいい。」
「ふたつ質問がございます。
まず『領都』とは?
なにぶん我々はこちらに来てから日が浅いものでして。」
「そうだったな。ここはアルストロメリア辺境伯が統治するアルストロメリア領だ。
そしてその領都の名もまたアルストロメリアだ。」
なるほど、随分と自己顕示欲が強いのでしょうね。
嫌でも憶えてしまうというものです。
「ありがとうございます。次の質問です。
先程、私達とおっしゃいましたが、主様は兎も角、私は人族ではありません。
私は登録できないと思っていたのですが。」
「なに・・・?差し支えなければ種族を聞いても?
俺は勿論だが、後ろのジョセフにも守秘義務がある。
絶対に口外はしないと約束する。」
ここでそっと手札を切る。
今後、下手なことを考えないよう釘を刺しておきましょう。
「それは天井裏と鏡の裏の方にも適用されますか?」
「・・・勿論だ。」
声が震えていますが、嘘はついていないようですね。
「信じましょう。私の種族は『陰妖族』です。」
「陰妖族?聞いたことがないな。
詳しくは聞かないが、少なくともこの大陸には存在しないはずだ。」
さもありなん。
「結論から言うと、君の冒険者登録については現状では難しい。
新種族として申請することはできるが、まず君一人では申請が通る可能性は低いと言わざるを得ない。
それに、ここから遠い『首都』に出向いて色々と聞き取りや調査をさせてもらうことになる。
長期的に見るならそれもいいだろうが、正直なところあまりお勧めはできんな。」
種族という意味合いでは我々『妖』には様々なものがおります。
それら全てに同様の手続きを踏ませるのは現実的ではないでしょう。
そんな必要もありませんしね。
「冒険者には『パーティ』という概念があってな、これは複数人の冒険者で構成される戦術単位だ。
パーティにもランクがあり、ランクを証明する『冒険者パーティ証明書』が発行される。
ここにはメンバーの名前が記載されるんだが、パーティの人数分発行できる。
パーティは本来なら冒険者のみで構成されるんだが、貴族関係で大声で言えないようなことが色々とあってな。
遺憾ながら抜け道が用意されているんだよ。
少々遠回りではあるが、冒険者登録証と同様の身分証明書としては申し分ないだろう。」
確かに身分証があるのはありがたいですね。
それにこれは借りには値しないでしょう。
あちら側は是が非でも私達を取り込みたい、最低でも敵対を回避したいと考えているようですし。
とはいえ示威行為ばかりというのもよくありません。
主様の度量も示す必要があるでしょう。
「色々と譲歩いただいたことに感謝します。
誤解なきよう直截に申し上げます。
我々は冒険者ギルドに取り込まれることでいいように使われることを懸念しているに過ぎません。
利害が対立しないのであれば『指名依頼』を拒否することはありませんし、共に利益を得られる関係性は歓迎すべきと考えます。」
「そうか、それは我々としても望むところだ。
では、私と領都まで同行して貰えるか?」
「契約内容を正式な書面に残していただけるのであれば。
ただ、我々にも予定がございますので、差し支えなければ日時を指定して合流してはいかがでしょう。」
長い時間共に過ごすとなると主様に余計な心労を掛けかねません。
「契約内容の特例については『冒険者登録証』に俺の名と共に裏書きされる。
ここから領都までは馬車で5日ほどかかる。
そうだな・・・10日後の正午頃に冒険者ギルドに来てくれるか?
俺は根回しのため数日前には着いている。
もし何かあったらギルドの受付を訪ねてくれればいい。」
(主様。)
(それでいい。)
「承りました。」
「宿に紹介状を届けるから、当日にアリストロメリアギルド受付で提出してくれ。
宿はどこを?」
「『女神の泉』です。」
「承知した。ああ、それと名前を教えてくれ。」
「我が主の名は夜行伊織様にございます。」
「貴族じゃないのに名字があるのか。変わった国だな。
では、話は以上だが、なにか聞きたいことはあるか?」
そろそろ夕方ですが、私にはデートを継続する義務があります。
「竜種についての詳細と、魔法書が売っている店を教えていただけますか?」
主様がうっすらと微笑みます。
駄目な僕からマシな僕程度には認めていただけたでしょうか。
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ちゃむだよ? >_(:3」∠)_
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




