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タイタンを登って

タイタンの左足にしがみつき、器用に登る竹林さんを見ながら俺はルドラに乗ってタイタンを追いかける。テレビの情報では全長1200mと言っていだが、目測では2000mはある気がする。そんな桁違いのタイタンだがスピードもその大きさに比例していて正直ついて行くだけで精一杯だ。ルドラも恐らく最高速度を維持しているはずなのに全然距離が縮まらない。


「レル!」


遠くから俺を呼ぶ声が聞こえたかと思うと目の前にロープが現れ、反射的にそれを掴む。タイタンのふくらはぎあたりにイルさんとカレンさんがくっついていてロープを握っている。


「ルドラ、戻ってろ」


言いたいことがわかった俺はルドラをポケットにしまい、ロープに捕まってジリジリとタイタンに近いていく。10分ほどかけてやっとタイタンの皮膚に触れることが出来た。


「竹林さんはもう遙か上に行ってるわよ」

「じゃあもっかいルドラ出すんでそこに掴まってください」

「おっけー」


ルドラをもう一度ポケットから出し、爪をタイタンの肉に食い込ませる。


「じゃあ行きますよ。ルドラ、行け!」

「ギャラァ!」


ルドラはタイタンから離れないように前脚を浮かさず、肉を切り裂きながら上昇していく。100秒ほど経ったあたりで後ろの2人の様子を見てみると尻尾を背もたれ代わりにして寛いでいるようだった。······なんで俺だけ頑張ってルドラにしがみついてるんだよ。

それから1分もしないうちに右肩に到達する。反対側の肩に見覚えがあるシルエットが見えたのでルドラを向かわせると予想通りそこには竹林さんがいた。近付いてみると居合の構えを取っていることに気付く。そして何が異常かと言うと居合をしている竹林さんの刀が伸び続けているという事だ。


「竹林さん来ましたよ!」

「おう、あと30秒ほど待ってろ。そしたらこの街を抜ける」


そう言っている間にゲームのバグみたいな大きさの太刀が出来上がる。


「お前ら、上に飛べ!」


言われた通り、ルドラにタイタン周辺の大気を掴ませて上に駆け上がる。

すると竹林の刀の長さが元に戻っていることに気付く。


「え?」


直径130mはあるとされる首が俺の視界の端で傾き、そしてその巨大な図体から切り離された。大量の血しぶきが俺たちに降り注ぐ。そしてタイタンの身体もついには傾き始めたのであった。

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